表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/402

学園都市の特殊事情

学園都市には、四神と言う特別な家系出身の4人の少女が在籍している。

 彼女たちは普段こそそれぞれ、学園都市の学生らしいそれぞれの生活を営み、ごく普通の生活を送っていた。

 しかし有事となれば――

「集まったな?」

生徒会SP身辺護衛部隊長、御影凪。

 4人同様に特別な家系出身である彼は、表向きは生徒会役員の護衛達を纏めあげる一部隊長を務め、その裏では少女たちを纏めあげる役割を与えられた男。

 彼の指揮下にて、学園都市の守護を担う精鋭となる。

「私達が一堂に会するのも、久しぶりですね」

「以前はフラウが加わる事の報告だったね」

「せやったなあ。個人ではちょくちょくはあっとるけど、やっぱにぎやかなのが一番や」

「その辺にしておけ。この場はお茶会では……」

 南波、辰美、フラウが盛り上がる中で、武瑠がそれを咎めようとし――。

「構わないだろう、武瑠。これが話しやすい雰囲気なら、無理に壊す必要もない」

「……凪殿がそう仰るなら」

 凪に柔らかく制される形で、下がった。

 その柔らかな物腰と紳士的な態度から、生徒会では大神白夜、一条宇宙に並ぶくらいに女性からのうけが良い男でもある。

「さて――議題は、東城太助の勢力についてだ」

「武瑠とフラウは、もう接触したんだっけ?」

「せやな。ウチはクリス姉さんと一緒に、シラヒゲって名の鼟餮型の電子召喚獣を連れた、初等部位の女の子と交戦したで。相性悪かった事もあって、苦戦した」

「私は直接本人とだ。クロカミと呼ばれる、檮昒型と交戦した――苦戦を強いられたのは、私も同じだ」

「残る四凶は、窮奇と渾沌。そして――」

「彼の仲間と思われるS級手配犯、鮫島剛と――椎名九十九、ですね」

 九十九の名を出した南波の表情は、彼女には珍しく険しい物だった。

「どしたんや?」

「そう言えば南波って、椎名九十九と因縁があったんだっけ?」

「何? ――あの、狂人とか?」

「ええ……あの男とは私が。愛国心どころか、人としての善その物を侮辱した事だけは」

「そこまでだ」

 南波の言葉を、凪が制止する。

 その表情を、有無を言わさないと言わんばかりの厳格な物に変えた上で。

「――何故です? 私はあの男だけは許せません!」

「大切な物を侮辱され、それに対する怒りを抱くのはわかるが……誇り高き朱羽の娘が、そんな顔で事に当たるのは感心しない」

「ですが……!」

「それに、鏡を見てみろ。その顔で、愛国心や人の善を語って説得力があると思うか?」

「うっ……」

「愛国心、人の善、それらを尊ぶのは結構だが――それらを抱く事が出来るのは、人である内だ。だから、人である事を忘れるな」

「――はい」

 南波の険しかった表情が解けると、凪も同様に表情を解く。

「――おーっ、凪さんかっこええな」

「凪さんがボク達のリーダーだって、改めて実感するよ」

「――流石ですね、凪殿」

「人を纏める事とは、導く事にある……故に、導である事を果たしたまで」

「――承知。我等の行く末、凪殿の身心のままに」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ