学園都市の生徒会事情
生徒会SP
学生による学園都市の運営機関、生徒会の身の安全を守るボディガード達で、その実力は保安部機動部隊にも引けを取らない。
また、SPには護送警備部隊と身辺警備部隊があり――。
「よおし、準備は良いか野郎どもぉっ!!」
「「「おおおおおおおおおおおおっ!!」」」
護送警備部隊は、通称“熱血機動隊”
隊長を務める鳴神王牙を始めとして、隊員は熱血漢が揃っており、スポ根展開やギャグ漫画ノリの愉快かつ明るい掛け合いが頻繁に行われており、わりと評判が高い部隊である。
この部隊の特色は熱血根性と、所属者の殆どの電子召喚獣が馬型である事を考慮しての騎馬隊である。
――最もそれ以上に。
「よぉし、気合は十分か!?」
「「「気合満点っ!!」」」
「血潮は燃えたぎっているか!!?」
「「「バーニングっす!!」」」
「よおし、これより重大任務を始めるぞおっ!!」
「「「おおおおおおおおおおおおおっ!!」」」
1人1人のキャラが濃い面々を纏めあげ、尚且つ一際存在感を放つ巨漢、隊長を務める鳴神王牙のキャラの濃さが、一番の特色と言えた。
「――一言良いか鳴神?」
「何だ北郷?」
「――これは一体、どういう状況だ?」
そんな気合満点の号令が行われたのは、生徒会SP専用訓練場に備え付けられたリング。
セコンドについている中原大輔と高峰光に見守られる中、北郷正輝は愛用の同義に身を包んで準備運動を行っていた。
「――噂には聞いてたけど、ものすっごい暑苦しい」
「――ああ、そっか。光は初めてだっけ? 熱血機動部隊に顔を出すの」
「うん……と言うか、SPってキャラ? この人達」
「まあ務まってるのは事実だよ。ああ見えて皆強いし、隊長の王牙さんは北郷さんとまともにやりあえる1人だからね」
「……うん、なんとなくわかる気がする」
光は王牙の身長2m16cm、体重130kgの巨体に加えて、熱血感丸出しのキャラの濃さにも圧倒されていた。
「それにしても、どうして北郷さんがいきなり……?」
「なんだ? 北郷から何も聞いてないのか?」
「――あっ、大神総副会長!」
生徒会最高権力、生徒総会総副会長、大神白夜。
2人はその姿を確認するなり、即座に椅子から立ち上がって敬礼。
「いえ、自分達は特に何の説明を受けておらず、ただ北郷長官の名のままに同行した次第で――」
「――そうか」
「あの――」
その事に疑問を持った光が声を掛けると、白夜の視線を受けた途端に威圧されるような感覚に襲われ、竦み上がった。
「何だ?」
「――此度の招集、総副会長の命で、ありますか?」
「後で北郷にでも聞け。余計なことやもしれんだろう?」
「――はい。ご無礼をお許しください」
白夜が踵を返し、少し離れた場所に備え付けられた椅子に腰かけると、光は腰が砕けた様にセコンドの椅子にへたりこんだ。
「大丈夫?」
「……何なのあの人? あんな威圧されたの、初めてだよ」
「大神総副会長の事なら、俺だってそうさ。ほら」
そう言って差しだされた大輔の手は、汗でびっしょりと濡れていた。
「なんだ? 連れて来たのに、事情を話していないのか?」
「――余計な心配を掛けさせたくはないだけだ。何もなければ、それに越した事はない」
「そうか――だが」
王牙が上着を脱ぎ捨て、まるでブロンズ像や彫刻の様に鍛え抜かれた肉体を露わにし、全身に力を込めるとその筋肉は膨張し、まるで鎧のような存在感を発し、威圧さえしてくるように思わせる。
「そう簡単に行くと思うな?」
「行かせてもらう」
正輝も道着の上を脱ぎ、同じように全身に力を入れ――
準備運動の為に着ていたシャツを、筋肉の膨張だけで引き裂き、こちらも体格では劣って居ようと、その威圧感は王牙にも引けを取らない筋肉を披露する。
「おおっ、すげえ!」
「流石は鳴神隊長! すげえ筋肉だ!」
「北郷長官も引けを取ってねえぞ!」
「……なにこれ?」
「何って、筋肉合戦じゃないか?」
「――女の子の眼には毒だよ」
大輔と光だけがカヤの外だと言わんばかりに、何故か正輝と王牙の筋肉合戦(笑)は、周囲に(当然、総副会長も除外)ウケていた。
「――とまあ、お遊戯はこれ位にしておくか」
「そうだな――さあ、行くぞ北郷!」
「こいっ!!」
その言葉を受けて、控えていた白夜が木槌を手に、眼の前に備え付けられていたゴングに振り下ろす。
カーンっ!!
「おおおおおおおおおおおおおっ!!」
ゴングが鳴ると同時に、王牙が咆哮を上げ――
「なっ! 速い!!?」
光が驚くほどに、その巨体からは想像が出来ない程のスピードで王牙が駆けだし、正輝めがけて拳を振り上げ、突進する。
対する正輝も、すぅーっと息を吸い込み、拳をぐっと握り締め迎え討つ体勢を取る。
そして――
ガァンっ!
2つの拳がぶつかった。
すごろくが行き詰っちゃったので。
なので、息抜きにちょっと思いついたネタを




