学園都市のすごろく大会(7)
『課題:楽器演奏』
「流石に、ここは私達がやらないと」
「はい――今のところ全部、朝霧さん任せになってしまってますので」
「別にいいのに」
裕樹がハーモニカを手に傍観姿勢になってる傍で、まず宇佐美がオカリナを、怜奈が琴を演奏。
「2人とも上手だな」
「昔兄さんに買って貰ったのが嬉しくて、何度も吹いたからね」
「流石にお兄ちゃん子を自称するだけあるか」
「ワタクシも、幼い頃から……」
「あっ、それは想像出来る」
「――バカ」
話の腰を折られたのが残念そうな怜奈の横で、宇佐美が呆れたようにそう呟いた。
「――私達の番ですね」
光一達が1回休みの為、龍星達の番。
「すごい速さだったな。さっきの」
「これしきの事、造作もない事です」
「――私、蓮華さんみたいなカッコ良い女性って、憧れましゅ」
「自信とは経験です。涼宮さんも色々と経験を積み、それを上手に使う事が出来ればそれが自信に繋がりますよ」
どちらかと言うと、女性受けしそうな笑みを浮かべながら、蓮華はサイコロを放り投げる。
『テスト:英語 高校1年生レベル』
「私でよろしいですか?(所属校次席、主席は水鏡怜奈)」
「お願い、しましゅ(英語平均点)」
「……頼む(歴史以外赤点ギリギリ)」
「……なんだか今日は、いろんな意味でドキドキだね」
「……あたししばらく、ユウさんの顔を直視できないよ」
「……すー……はーっ……」
頬を赤らめ、俯くつぐみとひばりを尻目に、光は深呼吸してサイコロを放り投げた。
『癒し系音楽鑑賞』
「……あれ? これだけ?
「……なんだか落ち着く音楽だなあ」
「うん……和むね」
「……でもまあ、丁度良いか」
「しっかし、思った以上に面白くなったな――おーいて」
「そりゃあ、つぐみとひばり、光が男性を意識する場面なんて、思ってもみなかったけど――綾香、脚大丈夫?」
「いや全く――しかし、相手がユウさんって言うのは……変に納得出来るから怖い」
「違いない。けど口説きマスのすぐあとにあれって言うのは、流石に予想外だったな――ユウさん呼んで正解だった」
「……綾香」
からからと笑う綾香を見て、鷹久が苦笑いしながらサイコロを放る。
『課題 ツイスターゲーム、次の番がくるまで』
「頑張れ」
「待って!」
「俺はこんなゲームを男2人でやる気も、人の彼女とやる気もない!」
「――ふぅっ」
「――なんだかちょっと場違い感がある1回休みですね」
「そだねい。でもまあ、休める時は休んでおくのもプロフェッショナルだよん♪」
「なんのだ?」




