学園都市のすごろく大会(5)
「……うーん」
裕樹は唸りながら宇佐美に怜奈を、次にひばりとつぐみ、光を見回す。
内容が内容だけに、女性陣は皆視線を受けると身を強張らせ、表情が硬くなった
「……どうしたものか?」
普段、困る顔こそしても動揺する事が滅多にない裕樹が、珍しく動揺している。
「……なんだか、こういうゲームの命令だってわかってても、口説かれるのってやっぱり緊張します」
「――ワタクシは、男性に口説かれるだなんて」
それに普段は年齢不相応に落ちついてる宇佐美と怜奈も、顔を赤くしながら
一応は付き合いが長い部類のつぐみ、ひばり、光は動揺を隠せない裕樹達の様子に、少しだけ表情がほぐれ、珍しい物を見る眼となる。
「……なんだか、とっても珍しい物見れたね」
「うん……ユウさんに怜奈さんが動揺してるのって、見た事無いから新鮮だよ」
「そうだね――だけど、私達もほのぼのしてる場合じゃないんだけど」
つぐみ、ひばりの言葉に頷きつつも、状況が変わった訳ではない為、口説かれると言う設定にまだ身を強張らせつつも、むず痒いこの雰囲気にもう耐えきれなさそうな光。
「――ああもうっ! さっさと済ませて下さい。普段はドンと構えてるのか図太いだけなのかよくわからない位、動揺する事なんてめったにないくせに!!」
「うわっ! ちょっ、なんだよ!?」
「簡単じゃないですか。そもそも貴方、一条さんに水鏡様はともかく、私達には散々小さい小さい言ってるんですから――ううっ」
「――自爆する位なら言うなよ。つーか、小さい事と口説く事に関係ねーだろ。確かにお前ら3人の事は散々小さい小さい言ってるけど、子供と思った事は1度としてねーぜ?」
「え……?」
そう言って、184cmと同年代でも高い部類に入る裕樹は、3人に目線を合わせる為に膝をついた。
「小さいからってガキじゃない、お前らは立派な大人の女性だよ。だから、口説けって言われればそれなりに動揺だってするよ」
「……えっ、えっと……あうあう……」
「うっ、ううぅっ……」
「……小さいって言われてるのに、それ以上になんだか……」
「――ってあれ? どうした?」
「――綾香さーん。ひばりさんにつぐみさん、光さんはクリアで良いですね? というか、良いって言ってください。」
『おうっ、良いぞー』
「――へ? ……あの、俺いつ口説いた?」
「……綾香さん、今度女子会しましょう。ユウに自覚持たせるべきか否かで、すっごく盛り上がると思うので」
「そうだな。あたしから呼びかけとく」




