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学園都市の体育祭(タッグバージョン改) プロローグ

 学園都市武闘派体育祭がタッグ形式となり、メディアはこぞって有力候補の取材と新星の調査に乗り出していた。

保安部、生徒会SP、大手企業や財閥のSPと言った勢力内での有力候補や、時期リーダーと称される者達に、超新星として名乗りをあげようとする新人。

 それらの挑戦を受ける、揺るぎなき最強と呼ばれる4人の猛者とそのパートナー。

「結構な猛者が名乗り上げてんだねえ」

 そんな中で裕樹は、屋台通りで呑気にそれらの特集を読んでいた。

 膝の上に、スースーと寝息を立ててるアサヒを抱きかかえながら。

「あの……」

「ん?」

「良いのですか? ワタクシ達、こんなのんびりとしていて」

「良いの。俺達の問題は、実力より互いの理解度なんだから」

 そのパートナーの水鏡怜奈は、落ち着かない雰囲気でお茶を飲みつつ、裕樹に不安を口にしたが、気にする様子も見せない。

「そんなに不安なら、特集されてる有力候補の情報でも整理しようか?」

 そう言いながら、D-Phoneに特集記事を表示しつつ、裕樹が突破してくるだろうタッグを、表示し始める。

まず、南波とフラウは間違いないとして、それ以外で有力だとするとまずは――と言う前置きをして、あるタッグの特集記事を表示。

「第三機動部隊隊長と副隊長の、“ハウンドドッグ”。この部隊の特徴は機動力で、主に先行調査や隠密行動を担当する部隊。2人とも電子召喚獣は通常種で、能力はマスターとの融合。種別はダルメシアンとドーベルマンだから、いい線行くだろうね」

 と、保安部で義務付けられてる訓練の中で、何度か手合わせした時の手応えなどを交えて、怜奈に説明。

 それらを説明し終わると、次の記事。

「“古代の爪牙”、蟷螂拳の使い手で電子召喚獣は古代種のティラノサウルス型、そして大剣使いで同じく古代種のマンモス型。どっちも今年1年で、今年の超新星と見られてる」

 まあ古代種で、どっちも種別としては最大級だから、注目もされるだろうな。

 と言いつつ――正輝、凪、王牙の部下である程度手ごたえを感じた相手を、1つ1つ説明して……一息。

「やっぱり大々的に宣伝される人って、違うんですね」

「そうれしゅね……最強って呼ばれてる皆さんには劣りましゅけど、やっぱり取材受けられるって言うの、すごいでしゅ」

「有名人って、やっぱりこういう物なんだね」

 と、そこへ裕香とつぐみとみなもが、話に入ってきた。

 そこでアサヒがうっすらと目を覚ますが……興味なさげに、またスースーと寝息を立て始める。

「そうでもないさ。前評判が良くたって、終わってみれば落ちぶれて笑いものって事は決して少なくはない」

「そうなの?」

「ああっ。本来体育祭は、龍星のダンナでも無名の新人にあっさり負ける事だってあり得る、盛者必衰と下剋上が繰り返される戦場なんだ。本来は俺達4人みたいに、君臨する最強が存在する方が異例なんだよ」

 まあ君臨するならするで、選りすぐりの挑戦者っていう楽しみがあるけど。

 と、心底裕樹は楽しそうに告げた

「楽しそうですね」

「俺はどっちかと言うと、挑戦者って立場の方が好きだけど、君臨者として選りすぐりの挑戦者を待つのもそれはそれで楽しみなんでね」

 と、体をよじって裕樹に顔をこすりつけるアサヒの頭を撫でてやりながら、楽しそうに裕樹はそう告げた

「楽しみって言うと、やっぱり全力勝負とか?」

「勿論。正輝たちの様に……」

「大ケガする程はやめてって、何度言っても聞いてくれない位に楽しみなんだよね」

「――だって大概の相手じゃ弱いものいじめにしかならないし、全然つまんないんだよ。荒川とやりあうのは仕事だから、私情抜きでやんなきゃなんないけど」

「その私情を、もう少し抑える事って出来ないんですか?」

「だってそう簡単に発散できないからさ……言い方悪いけど、ダンナでも発散させるより入院させる方が早いし」



「はくしょい!!」

「ん? どうしました?」

「いや、今どうも噂されていたような」

「まあ良いでしょう。ワシらのツープラトン、早く完成させたい所です」

「そうだな――よし、やるか」

『りゅーくん、王牙さん、護送警備隊の皆さん、差し入れを持ってきました』


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