バレンタインパニック(エピローグ)
結局その後、生徒会でその声明を利用し、対立する派閥の闇討ちを計画していた派閥を発見。
アンチバレンタイン同盟は、裕樹のとりなしで罪が明るみに出る事はなく、生徒会へのボランティア活動を義務付けられた。
最もその前に、裕樹が知り合いを駆け回ってセッティングした合コンを行ってから。
「--っていう約束だから、それを果たした後でにして貰いたいんだけど。勿論、俺の我儘みたいなもんだから」
「いや、任せた以上はその意見を通す。どの道今は内部監査優先だから、穏便に済むに越した事はない」
「--声明を隠れ蓑にするのはよくある事だけど、よりにもよって初等部を巻き込んだだなんて前代未聞だろ」
「--本当に恥ずかしい」
結局その派閥は解体し、身元を調査した結果次第で、別の派閥へ組み込むか、清掃員として働くことになるかの2択。
調査は天草昴と大神白夜の2名が連名しての物になる為、かなり厳しい監査となる事は誰もが予見していた。
「あいつらが?」
『事が露見した場合に備えてです。あのお2人が携わったとなれば、厳しさにおいては誰も否定はできませんから』
「--学園都市一の実力主義者と、合理主義者だもんな。情も妥協も賄賂も一切通じないから、この手で一番信用できるけど」
『まあ今はとにかく……』
「あっ、そうだ。さっさと合コンの準備しなきゃ」
その後、生徒会執行部とSP、保安部を駆け回って合コンをセッティング。
バレンタイン前の独り身をメインに集めた為、イベント効果も相まって付き合いを持つ事になる。
それらにあぶれた面々は……
「らっしゃいらっしゃい! かわいいスイーツ屋台だよ!!」
裕樹の紹介で、屋台通りで商売を始めた。
最も強面の女性が多い為か、商売というより警備の方で活躍しているが。
「--なるほどな」
「言っとくけど、黙っててくれよ」
「わかってる。それで、そんな量か」
それを眺めながら、裕樹は元アンチバレンタインの面々からお礼としてのチョコを食べていた。
その横で龍星が芹香、つぐみたちから送られたチョコをつまみながら。
「余談だが、始めて宇宙よりチョコ多く貰ったよ」
「--そんなに居たのか!?」
「違う違う。仕事絡みでのチョコを含めて、ちょうど同じくらい。で……」
「ユウ兄ちゃん見つけた。ほら、ひばり姉ちゃんにみなも姉ちゃん」
「わかってるよ。だからそんな引っ張らないで」
「そんないそぎゃなくても……」
「これで多く--まあ数なんてどうでもいいんだけど」
「じゃあなんで数えたんだ?」
「いや、なんとなく。経緯が経緯だから、渡せる相手が出来たのはよかったとは思ってるから、かな」
「そうか」




