表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
316/402

新年会のサプライズ(2)

「流石に、よくわかっている」

「ああっ、なにせ俺達の勝負は……」

『一撃ぶつけ合ってからが、本当の始まりだ』

 裕樹と凪が、互いにバックステップを踏んで裕樹が刀をリング外へ放り投げ、凪が孫悟空を下がらせる。

 互いに右拳を握り締め、駆け出しぶつけ合い--。

「ぐっ……」

 凪が押し負け、その隙に裕樹が凪の手首を握り締め、右腕を引き寄せ膝蹴りを凪の腹に叩き込む。

 負けじと凪も、右手首を掴む腕を握り、襟をつかんで背負い投げ。

 その背負い投げから逃れるべく、凪の左肩を掴んでそれを起点に倒立し、身体を翻し……。

 宙返りを披露して、その勢いを利用しての踵落とし。

「……」

 凪はそれを抱え込む形で、あえてその踵落としを命中させた。

 それで終わらず、まだ空中の裕樹の腹にパンチをぶち込み、そのままの形で突進するように裕樹をロープにたたきつけーー。

 上段、中段のロープで裕樹の体を挟み、背に回って首に足を回して三角締め、両腕を逆手羽に固める……。

「ちぃっ!」

 その直前、裕樹が腕を振りほどいてロープから脱出。

 凪の三角締めの足を掴もうとするが、解いて互いに距離を取った。

「やっぱこの高揚、たまんねえな」

「私もだ」

 再び駆け出し、今度は蹴りの交差。

 凪のパンチを裕樹が受け止め、裕樹の蹴りを凪が受け流し、拳打の攻防戦。

 裕樹が拳を握り締め、凪が体をひねり、拳と回し蹴りのぶつかり合い。

 


「すっげー……あんな踵落としまともに受けきった上に、あんな難しい技をタックルしながら一瞬で決めるなんて」

「ユウさんの蹴り、北郷さんのパンチに劣るけど威力ある上にあの勢いだからね。僕じゃガードしたって受けきれるかどうか」

「それにしても、流石は凪……最強で俺と1番相性が悪いだけある」

 綾香、鷹久、龍星はそれらの攻防にそれぞれの感想を述べる。

「……ねえひばりちゃん、今何があったか分かった?」

「全然わからないよ……ただただすごいって事くらいしか」

「あうあうあうあうあうあう……」

「みなも先輩、深呼吸深呼吸」

『--訓練は時々見に来ることはあるけど、やっぱり実践となると違う』

 つぐみ、ひばり、みなも、宇佐美、芹香はそれぞれ呆気に取られていて……。

「……」

 その中で唯一、王牙だけは静かに真剣な表情で、その勝負を見据えていた。

 勿論、周囲の警戒は怠っては居ないのは、生徒会SP護送警備隊長たる故である

「……」

「ん? 無理ないか。相手が相手だ、裕香ちゃんも……」

「大丈夫だよ、王牙さんだってわかってるでしょ? ユウ兄ちゃんがこんな簡単に終わる訳ないもん」

「はっはっは、流石は朝霧の妹だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ