日陰者の楽園(6)
--たまには作品関連でコミュニケーションがとりたいです
「流石に模造品じゃ、相手にならないかい?」
「オリジナルでも負ける気はしねーよ」
「相変わらず、大層な自信だねい」
「それが最強
--口元に、かすかに笑みを浮かべながら。
「--それで、さっきは何を見てああも、2人してらしくもなく動揺したんだい?」
「ひばりが乗った電子召喚獣が、スタジアムへ向かっていた」
「ひばり……ああっ、君の妹が気に入ってるっていう」
「あちしの親友でもあるよん」
「--最悪の事態じゃないか」
「最悪?」
「さっきスタジアムに潜入させてた九十九と剛から、元凶の情報が送られてきたんだ。それが……」
--所変わって、スタジアム内部。
「--ようこそ、我が本拠地へ」
円形に配置された観客席の中心、舞台ともいえる場所。
そこに連れてこられたひばりは、ある男子生徒の前に突き出された。
「あなたは……」
「学園都市に、裁きの黒炎を蒔いた、そうですね--ドクター・クロ、とでも呼んでください」
「……そのドクター・クロさんが、あんな事してまであたしに何の用なんですか?」
「まず初めに言っておきますが、君と私は絶対に相いれない存在である事は断言しましょう」
「--?」
「それでは先ほどの質問の答えですが……本当は朝霧裕香が欲しかった所ですが、妥協したまでの事」
その言葉を聞いて、ひばりは表情を険しい物に変えた。
「--裕香ちゃんに何をしたんですか?」
「妥協したと言ったでしょう? ある男がこちらの動きを察知し、妨害を仕掛けた為に出来なくなりましたから」
「じゃあ、裕香ちゃんに何をしようとしたんですか!?」
「堕ちた悪魔、朝霧裕樹から愛情という不純物を取り除こうと思いまして」
その言葉を紡いだ表情は、れっきとした真顔だった。
「--何を言ってるのかがわからないんですけど」
「ならもっと噛み砕いて表現しましょうか--堕ちた悪魔と評された方が、たかが同じ胎から生まれ、血を分けた程度のガキを守ろうとするのが気に入らないのです」
「……お兄さんが妹を守って、何が悪いっていうんですか?」
「兄だの妹だの、所詮は人間の生体上のシステムにすぎません」
増して情や愛など、所詮は邪魔な不純物に過ぎません--とそこで言葉を切った。
「人の善や理性など、所詮は後付けの物に過ぎず、人の原初とは悪である--私は性悪説至上主義でしてね」
「そんな主義、絶対間違ってるよ!」
「それを今から、全否定して差し上げましょう……朝霧裕樹の妹に愛されたが故に、朝霧裕樹を本物の悪魔に変える要素として利用することで」
「--裕樹さん、来ちゃダメ!」
「無駄です--彼が愚かにも妹を、そして妹が愛した人間を見捨てるような事が絶対に出来ない事は、理解しているでしょう」
けらけらと、心底楽しそうに笑うのを見て--
「……卑怯者!」
「いかにも--根源が悪である以上、ルールの絶対的な順守など不可能なことです」
掃除して出て来たUSBメモリを調べてみたら、大罪と美徳に出すキャラ設定
主に大地の賛美者の首領格のキャラ設定を考えてメモ書きしてたのを見つけたので、アレンジして出しました。




