ある日の訓練風景
最近誰もコメントしてくれないので、ちと息抜きに。
強さを求める……それが、生徒会SP及び保安部における、向上心の前提
その為に肉体を鍛え、あるいは精神修養を行い、日々向上を求め求められる。
その為にやるべき事をやり、得られる資格は--例えば、空手、柔道などの武術を習い、段を取得する等、やろうと思えばできる事はすべてやるべきとなる
「流石に、保安部と生徒会SPの合同訓練となると、気合が違うなあおい」
「それはそうだよ。この訓練は、競い合う物だって前提だからね」
柔道場でそう話す鷹久と綾香が巻いてる帯は、黒帯である。
というより柔道場全体を見ても、白帯の方が逆に目立つのだが……
「というより……」
綾香、鷹久の会話に龍星(勿論黒帯)が割り込み、その龍星がある地点を指さした。
「せいやあっ!!」
「はあっ!!」
そこでは、2人して鬼気迫る表情で、力強い組み手をする鳴神王牙と北郷正輝
王牙の力強い払い腰を、正輝が腕を切ってかわし裏投げに持ち込もうとしている。
「ふっ!」
「はっ!」
こちらも2人して鬼気迫る表情で、スピードと技で魅せる組手をする朝霧裕樹と御影凪。
裕樹が内股で行くのを、凪がそれをすかしすくい投げで投げようとするのを、裕樹が咄嗟に飛びのいて距離をとる。
その様相は、周囲にも影響を与える程に、鬼気迫る何かを雰囲気に込めている。
「--流石は最強。相対するだけで周囲に闘争心を掻き立てるとは」
「違いねーな。それにしても、スピードのユウさんと技の凪さんとで、まるで舞を見てるみてーだ」
「こっちもすごいよ綾香。北郷さんの拳一筋の経験を活かした組手と、学園都市最強の肉体で繰り出す技の迫力ときたら……」
「流石、最強の名は伊達じゃないか……」
その2組の対決は、当然の様にほぼ全体が見学していた。
ビデオカメラを構え、あるいはメモを手に熱心に研究しているメンツもいる。
「よし、見学行こーぜ」
「そうだね。しっかり見て、学び取らなきゃ」
「ああっ--所で、光一見てないか?」
--人には適正と言う物があり、例外もまたある
「……どうせ俺は、武術に向かねーよ」
現在、あまり人気のない射撃ブースで、射撃をする光一。
そして--
ヒュッ--カっ!
「--まだまだか」
「……ここ射撃ブースだぞ」
投げナイフで、射撃訓練をこなしている武瑠の姿があった。
--所変わって。
「--ふぅっ」
凪との勝負は引き分けに終わり、裕樹は汗を拭きながらスポーツドリンクを飲み干す。
「お疲れ様です」
「ん? 鷹久か」
「はい。勉強させていただきました」
「あたしも、いい勝負見せて貰ったぜ」
「そりゃ何より」
ふーっと大きく息を吐きだし、裕樹は道着を着なおした。
「じゃあ鷹久、ちとやるか?」
「え? 僕と、ですか?」
「ああっ。多少疼いてんだろ?」
「やっぱりばれました? じゃあ、お願いできますか?」
「ああっ」
などと話してる間にーー
「ぬおりゃああああっ!!」
試合を申し込んだ龍星を、王牙が豪快な払い腰でぶん投げていた。
「……一分ももたんとは」
「はっはっは、学園都市最強の肉体、伊達ではありません」
パワーで勝とうとスピードでは勝てず、スピードで勝とうとパワーで勝てず。
鳴神王牙に、肉体的な総合力で勝つことは不可能とまで言われている。




