屋台通りの華やかで穏やかな日常の1シーン(パート3)
『みゅ、みゅ~!』
『きゅーん♪ わんっ、わんっ!』
『こーん』
『くぉ、くぉん!』
『ぴゅー!』
『にゃ~♪』
学園都市、屋台通りの一角にある個人屋台とサークル屋台の共同休憩スペース。
そこで、黒い子猫型のユラと白い子柴犬型のシラヒメ、白い子狐型のアマテラスに白い子狼型のツクヨミ、そして小さい鳳凰型のヒミカ 虎縞の子猫型の煌炎。
通常種、幻獣種の違いこそあれど、見た目は愛らしい愛玩型が仲良く遊んでる光景は……。
「……和みますね。ユラも友達がたくさんできて、喜んでるみたいですし」
「うん。でもこういう光景って和むね」
「顔がほころびましゅ」
「良いなあ。私のも早くああなって欲しい」
それを眺める顔をほころばせる女子たちに、好評だった。
「……えーっと」
その傍らで光一は、電子召喚獣達がじゃれて遊ぶ様子を映像として、そしてデータとして記録していて、龍星と裕樹が光一の両脇から記録しているデータを覗き見る。
「俺達の眼には愛くるしい眺めでも、光一から見れば違うのか」
「データとしても実像にしても、普通に愛玩動物達がじゃれ合ってる光景に変わりないよ」
「俺達がただ、データとしての見方を知らないから別物に見える……そんなところか」
「そう言う事――悪いけど、おしゃべりはここまでな? データ収集で手間取ると、レポート纏めの進捗も出来も滞るから」
話が終わり、歩美と手伝いを申し出て来た龍星は屋台へ。
つぐみにみなもも、そろそろ開店時間ともあって、急いで屋台へと駆けだしていく。
「こういっちゃん、ちょっと手を広げ過ぎじゃないかねい? 屋台に研究に訓練におねーさんの相手って、体もたないよん」
「……そう思うんなら、せめて屋台では普通に売り子やってね? 性格直せとも、ベタベタひっつくなとも言わないから」
「うむん、おねーさんにお任せだよん――それで、ハクコはいつ出せばいいのかねい?」
「もちっと待って。もう少しデータが欲しい」
「――ボケとツッコミ色の強い間柄かと思ったら、結構信頼し合ってるんだね」
「悪ふざけはしても嫌がらせはしないよ。ティナは」
「随分と詳しいね?」
「結構付き合い長いから――ま、いびられた記憶の方が多いけどな」
「だろうね」
「――何に納得したんだ今?」




