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PV撮影に潜む影(プロローグ)

「プロモーションビデオ?」

「そう。今学校で特設の動画サイトを設立しての、課題を兼ねたプロモの作成が流行ってるの」

 所は屋台通り。

 学校が終わり、屋台通りに立ち寄った裕香と裕樹達が談笑する中、裕香がそんな話題が挙がった。

「へえっ、懐かしいな。動画じゃないけど、そういうのは俺も結構やったっけ」

「あたし、カラオケ大会が記憶に残ってるよ」

「スポーツ大会ってのもあったな」

 “興味”が初等部の教育方針

 よって、学園都市初等部では興味を持たせるため、あらゆる試みを行う。

「それで……」


『にゃ~♪ はじめまして。初等部4年、荻原菜月ですにゃん』

『ニャーッ』

『この子は私の電子召喚獣、猫耳がチャームポイントのニャオちゃんですにゃん♪』

『ニャー』


「これが今日撮った、なっちゃんの動画。みっちゃんの動画はもう撮ってアップしたけど、すごい人気なんだよ」

 裕香がD-Phoneの録画した動画を再生し、裕樹と宇佐美に見せる。

「へえっ、よく撮れてるな」

「ホント、本職並みじゃないかな?」

「宇佐美姉ちゃんのお墨付きが出たなら、大丈夫だね。で、私も動画作ろうと思ってるんだけど……」

「チャレンジは良いことだな。よし……」

「あっ、待って。実は先生からユウ兄ちゃんに……」


“他の生徒への不平等要素となりますので、くれぐれも撮影参加しないでください”


「……って。一応動画再生回数もカウントされてるから」

「……いや、流石に女の子の動画に映りたい程、酔狂じゃないんだけど」(学園都市武闘派最強の1人)

 実は裕樹は、裕香絡みでは結構裕香の学校からかなりの制限を喰らっていたりする。

「で、何撮るんだ? 撮影ぐらいはやれるだろ」

「じゃあ……」

 裕樹の手を引いて、裕香は駆け出した。

 ……その数分後。

「--3、2、1、はい」

「始めまして、初等部4年、朝霧裕香です。いらっしゃいませ」

「いっ、いいいいいいらっちゃいま……」

「はいカット……涼宮先輩、いくら何でも緊張しすぎです」

「でっ、でもでちゅね」

 屋台の手伝い、というコンセプトで撮影することにした裕香。

 それで、つぐみ、みなもの屋台に協力してもらい、手伝いシーンの撮影という所で--。

「みなも姉ちゃん、落ち着いて、ね」

「ひゃっ、ひゃい」

「……確かに絵的には最高だけど」

「ひぇっ!!?」

「あれ?」

「……動揺煽ってどうするのよ」

「え? 何? 俺なんか悪い事した!!?」

 結局、この撮影は難航した。


 --それから数日後

「ねえ、裕香ちゃんの動画って、どうなったの?」

「なんと、再生回数トップ10……ネームバリューがついてるみたいだけど」

「ネームバリュー?」

「いえいえ、自覚は持ちましょうよ。流石に、裕樹先輩の名前は大きいみたいだね」

「れしゅね」

 裕樹たちは数日前の動画撮影の事で、盛り上がっていた。

「しかし、俺が調査で留守にしてた間にそんな事が」

「ダンナも撮影に参加したかったって事か?」

「よせよせ、性に合わん。何より俺みたいな強面が、女の子の動画に合う訳がないだろう」

「だよなあ」

 どっと笑い声が起こる中……


 ガシッ!


「っ!!?」

「--俺の妹になんか用か?」

 裕香の背後から延ばされた手を、裕樹が手首をつかんで遮った。

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