DIE温泉湯治禄(エピローグ)
「いて、いてててっ」
「龍星さんって、結構身体固いんですね」
「そんな事はないと思うが……まああいつと比べれば、固いだろうな」
所は、先ほど裕樹と龍星が腕相撲をやっていた、レクリエーションルーム。
男性陣は、Tシャツにジャージという軽装で、風呂上がりの柔軟体操
「……あよっこいしょっと」
裕樹は開脚前屈をやっていて、べたーっと床に体をくっつけている。
「パワーがあってスピードもある、おまけに柔らかいときたか」
「身体はあくまで基本。それをどう生かし伸ばすかが重要なんだよ」
そう言うと裕樹は勢いよく体を起こし、その勢いのまま後転して足を開いたまま倒立し、足をぶん回して体を回転させるとその勢いを利用して着地。
「(女性が絡まない)ユウさんが言うと、説得力ありますね」
「鷹久、今妙な間があったような気がするんだが?」
「……気のせいですよ」
「ところで、さっきからなんで光一は俺達から距離を取ってるんだ?」
「……居心地が悪いからだよ」
筋肉という表現が似合わない自分の体躯を見下ろし、苦虫をかみつぶした表情で言い捨てた。
--その一方で。
「綾香姉ちゃん、心地はどう?」
「さいっこーだぜ。裕香はドライヤー上手いな」
「綾香姉ちゃんも一応女の子なんだから、これくらい自分でやれるようになった方がいいよ」
「大きなお世話だ」
「なんならこの後お化粧も……」
「勘弁してくれ」
綾香は裕香にドライヤーをかけて貰っていて……
「ホント、良いお湯だったね」
「ホントれしゅ。まさかハーブの香りまで堪能できるだなんて」
「本物じゃないってわかってても、あの香りには癒されるよ」
「ホントですね」
『生徒会のお風呂に設置してもらえるよう、お願いしようかな』
女性陣は先ほど入っていた風呂の、好評の意見を口々に言いあっている。
「やっぱ女って風呂が好きなんだな」
「それはそうだよ、ユウ兄ちゃん。女の子は常にきれいでいたいんだから」
「--例外はいそうだがだだだだっ!!?」
裕香の発言に裕樹が綾香に目を向け、余計なことを言おうとすると--
綾香の電子召喚獣、セレーナがかみついた。
『……やっぱりこうなるんですね』
「おーい、最後はアンケート書いてくれよ」




