DIE温泉湯治録(1)
時はすぎ、温泉湯治当日。
「ぐっくくっっ!!」
「ふんっ、ぐおおおおっ!!」
「ユウ兄ちゃんがんばれー!」
『りゅーくんがんばって!」
裕樹と龍星は、腕相撲をしていた
「ぐっぐぐっ……うおりゃあっ!!」
「ぐおぅっ!!? ……くっそ、負けた」
勝負は裕樹の勝ち。
潰れたスパリゾだった建造物を改装した実験場の、元はレクリエーションルームだった室内にて。
「--まさか俺が腕相撲で負けるとは」
「甘い甘い……んじゃ、俺と裕香の風呂上がりの牛乳はダンナのおごりな」
「わかってる」
武闘派最強4人 腕相撲ランキング
1.鳴神王牙(ベンチプレス200kg超)
2.北郷正輝(ベンチプレス190kg)
3.朝霧裕樹(ベンチプレス140kg)
4.御影凪 (ベンチプレス110kg)
「……流石に最強ともなれば、基礎能力すごいんだな」
「そうだね。でも、ただそれだけじゃないっていうのもよくわかるし……色々と勉強になるねやっぱり」
「そだねい。ユウやんは昔からすごかったよん」
武闘派としての視点で腕相撲を見ていた鷹久、綾香、クリスはそれぞれの感想を言い合ってーー
「--準備まだかな?」
「でも、どんなお風呂なんだろうね?」
「DIEシステム搭載のお風呂なんて、想像つかないれしゅ」
「こういうのって、未知のドキドキがあるよ」
「そうですね--女の子としては、興味も楽しみも掻き立てられます
裕香、つぐみ、みなも、ひばり、宇佐美は既に風呂に意識が向いていた
「女ってホント風呂が好きだな」
「--裕樹、今回は黙っててくれ頼むから」
「?」
「そうですね……間違いなくシャレにならない事態が起きますから」
「ネタが風呂だしなあ」
「とんでも展開になる事は、まず間違いないねい」
「おいおい、綾香にティナまで……」
女絡みではてんでぞんざいな扱いになってる事に、裕樹はため息をついた
そんな裕樹を見て、クリスはぴんと……
「風呂と言ったら覗きだねい」
「いかねーよ。大体さっき饅頭食ってんだから、皆多少なりとも体形は崩れて--」
バチーーンッ!!!
「……懐かしいねい、そんなやり取りの後のそのビンタ跡」
「嫌なことで懐かしむな」
『答える方も答える方です』
「……白い目で批判するなよ、芹香」
ピーンポーンパーンポーーン!
「おーい、準備出来たってよ」
光一がそう告げて入ってきた。




