学園都市のクリスマスパーティー(後編)
「メリークリスマス!」
生徒会総会長、井上大和がワイングラスを掲げての宣言。
勿論中身はワイン--の様に見えるグレープジュースで、カンパイ。
「立食パーティーか」
「結構本格的だな」
「しかもどれもすっごくおいしそうですね」
光一がサンドイッチ、龍星がローストビーフ、鷹久がキャビアの乗ったクラッカーを一口。
「うっしゃあ、く……」
「綾香、お願いだから空気読んで」
「……綾香姉ちゃん、さすがに恥ずかしいよ」
「うっ……しょうがねえな」
がっつこうとした綾香を鷹久が宥め、裕香が恥ずかしそうに止めて……
さすがに子供に恥ずかしいと言われた綾香は縮こまり、もくもくと行儀よく食べ始めた。
『これ皆、生徒会専属シェフ(もちろん調理方面学生)による料理なんですよ』
「わあっ、楽しみですね」
『私のお勧めは、こちらです』
「あっ、これって……すごい、こんな調理始めてみたよ」
「ホント。勉強になるね」
「はい。裕香ちゃん、いっちょに食べようよ」
「ほら、これおいしいよ」
生徒会所属の芹香が、おすすめの品を女性陣に紹介している。
特に調理方面志望のひばり、つぐみは始めてみる料理に目を輝かせ、みなもと宇佐美が裕香と一緒に食べようと料理を取り始めた。
……最も
「……ちょっと、やりにくいですね」
「高い服着ながらだから、ちょっと……」
服が汚れるかもしれないと意識してしまい、動きがぎこちなかった。
「--ああっ、わかるわかる」
『そう、ですね。私も慣れるまで、大変でしたから』
--こういう場での食事に慣れてる、裕樹と芹香以外は
裕樹は上流階級の身辺警護で、芹香は宇宙の付き添いでこういう場に出る機会が多い為に。
『随分と楽しそうですね』
「そりゃあね。俺が参加した上流階級のパーティーなんて、大抵空気がドロッドロで張り付けたような笑顔ばっかりの。気味悪い場ばっかりだったから。まあ和やかなのもあったけど」
『生徒会でも、同じような物……ですね。権力闘争というか、何というか』
「そういう意味じゃ、肩肘張らんでいいだけ楽しいかな」
『違いありませんね』
と、裕樹と芹香の2人で。盛り上がりながら食事をして--
「……」
「? りゅー兄ちゃん、ヤキモチ?」
「焼いてない。裕樹も芹も、その気がない事位わかってる……というより、そもそも裕樹が芹を口説く場面なんて想像できん」
なんていうやり取りを交えながら、それなりに楽しく過ごしていた。
「さて……」
裕樹はふと……
1.ひばりに目を向けた
2.みなもに目を向けた
3.宇佐美に目を向けた
「できたらでいいので、感想か活動報告かどちらかに、どういう順番で読みたいかを記載してね」
『朝霧さん、誰と話してるんですか?」
「いや、こっちの話」
はい、続きは裕樹のカップリング話にします




