甘えん坊日和(クリスマス 準備編)
レフェルさんからのリクエスト
--の前日談っぽい話を投稿しました。
喜んでもらえるかどうか
生徒会主催のイベントでは、基本として正装を規定としたドレスコードが設けられている
例えば、クリスマスパーティー。
「--はい、出来たよ裕香ちゃん」
「ありがと」
所は朝霧兄妹の自宅。
みなもと裕香は、今度出席する生徒会主催のクリスマスパーティーに着ていくドレスを試着していた。
みなもは栗色の髪を後ろに流し、落ち着いたデザインのシンプルな白いドレスを。
裕香は髪をリボンで両サイドにまとめ、みなものと同じデザインの赤いドレスを着用。
「似合うかな?」
「うん、よく似合ってるよ」
「ありがと」
ご機嫌な裕香を微笑みながら見つめ、自身もおかしくない
裕樹のエスコートで行く事も決まってる為、周囲から今まで以上に注目される以上恥ずかしくない様に。
「……おけちょうひゃえっひょ」
……などと考えれば考える程、ドツボにはまるお約束の方程式。
「とりあえずさ、みなも姉ちゃん。ユウ兄ちゃんに見せに行こうよ」
「え? ちょっ、ちょっと待って。まだお化粧とか……」
「良いよそんなの後で、ほら行こ」
「あっ、ちょっ、裕香ちゃん。シワになっちゃうから」
裕香がみなもの腰に抱き着き、ぐいぐいとみなもを押していく。
そして、櫛をもって髪をセットしながらリビングの鏡とにらめっこをしてる裕樹のもとへ。
「ユウ兄ちゃん」
「ん? --おおっ、似合ってるじゃないか裕香」
「えっへへ~♪」
その傍らで、みなもは裕樹の姿をじっと見つめていた
男子はタキシード、女子はドレスと指定がある為、裕樹はタキシードを着ている。
裕樹のタキシード姿は、普段眼帯で隠してる左目の繭から頬の少し上までの裂傷痕こそ目立っているものの、違和感なく着こなしている。
裕樹からは、宇宙や詠の身辺警護で上流階級のパーティーの経験もあると聞いていたため、その辺りは納得していた。
「それにみなもも、今までの誰よりもエスコートし甲斐があるよ」
「……今までって」
「?」
--その言葉に深い……特に浮気などの変な意味が一切ない事は、みなもも重々に理解していた。
「ユウ兄ちゃん、今までそんな話聞いたことないよ?」
「いや、仕事でだから特に色気のある話なんてないぞ」
「……やっぱり」
呆れた雰囲気で、みなもがそう呟いたのを聞いた裕樹が、ふとみなもに目を向けーー
表情が何やら照れくささを醸し出し始め--そっと手を差し出した。
「--個人としてのエスコートなんて初めてだから、緊張するな」
「……お手柔らかにお願いしましゅ」
「ああっ。まあ俺の彼女としてお披露目って感じになりそうだって話だけど、気にしなくていいからさ」
「気にしましゅよぉっ」




