未知なる地からの来訪者(5)
「で、どうなんだよ?」
裕樹たちは一路、光一の部屋に来ていた
ただ、今はドタバタしているせいか散らかっていて、男の散らかった部屋にはさすがに女性陣全員が難色を示していた
「……今は解析して出てきた設計図の解読中」
「解読って、暗号化か何かされてんのか? 大丈夫かよ」
「いや、解読してるのは暗号じゃないし、そうならもう作成に着手してるよ」
「どういう事?」
宇佐美と裕香が首をかしげると、光一は頭をポリポリと掻きながら裕理から預かっていたエリアを具現する
「あっ、エリア」
『ピィっ! ピィっ!』
「え? これってもしかして、まだレッサータイプなの?」
「うそぉっ……!」
「信じられん……雰囲気的には、まるっきり俺たちの世代を幼くした感じだ」
裕理を見つけたとたん、飛びついたエリアを見た3人は目を丸くした。
通常のレッサータイプにはありえない行動そのものだったために。
「--こいつのストレージに、俺が使ってるパスワードを入力して開くファイルがあってな」
「その中にあったのか」
「しかもご丁寧に俺が1番好んで使ってる、遠回りと間違いを混入させた、超遠回りで金がかかる様にしてあってさ」
光一は悪用されない為の手段として、様々な防護策を用意してある。
「つまり、不要な部分だけを削りながら、作業しなきゃってことか……まるで女のダイエットだがふっ?」
「どうしてユウはいつもいつも女の子を怒らせる例えしかできないの!!」
「あの……壊れちゃ困る機器があるから、暴れないでほしいんだけど」
「……ほんと、宇佐美おばさんとユウおじさん、このころから変わってないんだね」
「しかも未来まで続いてんのかこのやり取り!?」
閑話休題
「……とりあえず、裕理のD-Phoneは返すよ」
「ありがとうございます、先生」
「俺はまだ先生じゃないよ」
光一がエリアを抱きしめる裕理に、D-Phoneを手渡し……大あくびを披露した
「眠そうだね、光一兄ちゃん」
「これでも徹夜なんだよ……解読が終わったらいったん寝て、作業に入る」
「よろしく頼むよ--これ差し入れな」
「ああっ、サンキュ」
そういって光一が裕樹から包みを受け取り、その横で裕香が……
「私の娘が安全に帰れるよう、よろしくお願いします」
「……ああ、任せな」
ぺこりとお辞儀をしながらそう言って、光一も笑みを浮かべて頷いた。




