表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
213/402

未知なる地からの来訪者(4)

「親戚の子、ですか?」

「そう。ちと事情があって、学園都市の編入を考えてるらしくて、俺たちが案内することになった」

 特級重要事項規定により、午前は朝霧兄妹の家にて思い思いに過ごし--

 午前授業が終わった後の就業時間となり、裕樹たちは屋台通りを訪れていた。

「--言われてみれば、確かになんだか裕香ちゃんに似てますね」

「だってさ、ゆーちゃん」

「わぷっ。ちょっ、やめてよ~!」

 つぐみにそう言われ、ご機嫌さを隠そうともせず裕理は裕香に抱き着いた。

 外でそういう事を嫌がる性質の裕香は、もがいて抵抗するも2歳年上のハグから逃げれていない。

「……まるで妹離れで来てない姉と、反抗期な妹の姉妹みたい」

 つぐみがそう呟くと、裕樹と宇佐美、みなもが乾いた笑いを浮かべた。

「しかし……」

「--? 裕樹先輩、どうしたんですか?」

「いや……」


「昼から、屋台通りいくの?」

「ああっ。宇宙の許可は取ったから、昼メシ食ったらすぐ行こう」

「すぐって、良いのユウ?」

「他はともかく、あそこの住民に紹介するのを躊躇すると、逆に怪しまれる。心配しなくても、宇宙にはちゃんと報告して許可もらってる」

「屋台通りって、このころからあるんだ」

「--未来の学園都市にもあるのかよ」

「うん。それより楽しみだな、つぐみおばさんに若いみなもおばさんにも会えるんだ」

「--事情に聞かされた宇佐美はともかく、頼むから本人の前でおばさんなんて呼ぶなよ」

「はーい」

「……ところで、なんでつぐみに若いを付けなかったんだ?」

「だってつぐみおばさんって、ママが昔から見た目全然変わってないって」

「「…………ウソ」」

「……マジで? --正真正銘、永遠のちびっ子ってことかよ」

「……せめて永遠の美少女って呼びなさいよ、ユウ」



「……何でもない」

「……今何かものすごく失礼なことを考えたでしょう?」

「--考えてない考えてない。考えたとしても、今日もつぐみは小さいってことくらい?」

「今の間は何ですか!? それに十分失礼ですよ!」

 つぐみに詰め寄られている裕樹を放っておいて、宇佐美は未来の親子に歩み寄る。

「はいはい、裕理ちゃんもそろそろね」

「はーい」

「それにしても……よく似てるね」

 そこへみなもも歩み寄って、裕香たちと視線を合わせるようにしゃがみ込む。

「初めまして、私……」

「あっ、みなも……さん」

「? 私、名前言ったかな?」

「え? えーっと……」

「昨日アルバム見せたんだよ。特に裕香はみなもに懐いてるからね」

 危うくボロが出たのを、つぐみから逃げて来た裕樹がフォローを入れる。

 屋台通りの面々とは割とそういう記念撮影をすることもある為、みなももそれでと頷いた。

「さ、挨拶」

「えっと……初めまして、朝霧裕理です。ボクのことは、裕理って呼んでください」

「わかったよ、裕理ちゃん」

「雨宮つぐみです。じゃあ御近付きのしるしに、クッキーあげるからちょっと待ってて」

「ありがとうございます……助かったよ、ユウ兄ちゃん」

「……気にすんなって。まあ仕方ない部分だってあるからさ。この後光一んところに差し入れ持ってくから」

「先生の所だね」

「……まさか光一の教え子になるとはねえ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ