表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
203/402

学園都市のプールでのひと時(1)

「すごいね。スライダーに流れるプール、それに水上サバイバルゲーム場だなんて」

「流石は陽炎財閥、金をかけているのがよくわかる」

「そりゃ学園都市は、大企業のイベント企画実験場の側面もあるから」

 入り口前でのオープンセレモニーが終わり、いざ開場。

 光一に鷹久は水着に着替え、龍星は首と左手のギプスがある為に、せめて恰好だけでもと短パンとアロハシャツを着ている。

 ……割と鍛えられた肉体の鷹久と龍星の横で、パーカーを羽織ってる光一は居心地悪そうに周囲を見回している。

「おっ、来た来た」

 と、光一の視線の先には……。

「お待たせー」

 赤いワンピース水着を着た裕香が、浮き輪片手に駆けてきた。

「じゃーん、どう? 宇佐美姉ちゃんに選んでもらった水着だよ」

「へえっ、宇佐美に? センスいいじゃん」

「成程、よく似合ってるぞ」

「うん、かわいいよ裕香ちゃん」

「えへへ」

 照れるようにご機嫌になる裕香に続いて……

「流石に宇佐美ちゃん、スタイル抜群れしゅ」

「……ほんと、羨ましいなあ」

「……とても後輩とは思えないよ」

 白のビキニに、赤いパレオを巻いたみなも。

 水色のワンピースの上に、Tシャツを着たつぐみと、同じくTシャツを緑のワンピースの上に着たひばり。

 その三人の注目を浴びて、年齢不相応の均整の取れた身体を空色のセパレート水着で包む宇佐美は、少し躊躇していた。

「ちょっ、ちょっとみなさん、そんなじろじろ見ないでください」

「いいじゃねーのそれ位。あたしもスタイルには自信あったけど、宇佐美にゃかなわねーもんな」

『みんな、それ位にしとこうよ』

「……言いたい事はわかるけど」

『あの、宇佐美ちゃん? なんで私を見て言うの?』

 宇佐美には劣るものの、オレンジのビキニでわがままボディを包む綾香は、ケラケラと笑う。

 その後ろで、肩に風丸を乗せて黒のビキニを着た芹香は、苦笑している。

「……ユウじゃねえけど、すげえ光景だ」」

「……確かになんか言いそう」

「……俺は目に浮かんだ」


「こーいっちゃーーん」


「え? ぶわっ!?」

 その後ろから、光一に抱き着いてきたのは、クリスティーナ・ウェストロード。

 黄色のビキニを着た彼女は、水着姿を(触覚的な)アピールするように光一に抱き着いた。

「わおっ、ティナ姉ちゃん大胆」

「裕香ちゃん、見ちゃダメれしゅ」

「そうだよ。もうクリス、光一君、裕香ちゃんの教育に悪いからやめて!」

「いや、なんで俺まで!?」

 みなもが慌てて裕香を目隠しし、ひばりが腰に手を当てて2人を怒り、光一は納得いかないと抗議する。

「それにしても……」

「綾香、何気に無視してない?」 

 鷹久のツッコミを無視して、綾香は周囲を見回し、女性客の多さに目を見張った。

 そして耳を澄ませ……

「本当に朝霧裕樹が来てたんだね」

「ここの新アトラクションの実演やるそうだけど、どんなのかな?」

「私はそれより、朝霧先輩の活躍が楽しみです」

 その殆どが裕樹目当てだということを確認。

「これみーんなユウさん目当てかよ」

「常々忘れさせられるが、裕樹のやつ女性人気高いんだな」

『失礼だよりゅーくん……否定はできないけど』

「あの人がすごくてかっこいいのは、事実だからね。“黙ってさえいれば”だけど」

 鷹久の何気に酷いセリフに、裕香を除く全員が同時に頷いた。


「あーっ、また朝霧さんにお姫様抱っこで助けてもらえたらなあ」

「そういえば以前、違法召喚獣に襲われかけたところを助けてもらったんだっけ?」

「うん。すごくたくましくてね」


「……どんだけなんだろ?」

 つぐみの呟きに、ほぼ全員が頷いた。


「でも天然セクハラが玉に瑕で有名な人でもあるんだよね?」

「大丈夫。私結構えむ……我慢強いから」

「……今エムって言おうとしなかった?」

「気のせい気のせい。ほら、行こう」


「……何も聞こえなかった。そうだよな、皆?」

「ねえ光一兄ちゃん、エムって?」

「知らんでいい。というか、お願いだから知ろうとしないで頼むから」

「……こういっちゃん必死だよん」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ