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甘えん坊日和(花火大会のダブルデート)

余談ですが、夏が終わるまで、龍星は左手と首にギプスを付けたけが人設定で行きます

LAN武さんには事前に報告すべきだったことですが、すみません。

 年中祭典を開いているこの学園都市において、花火は非常に需要がある、

 ゆえに花火大会は、花火職人方面の学生による試作品のテストという意味合いを兼ねた第一回。

 その1月経た後の第二回とがあり、派手に行われる。

「今年もにぎやかだな」

 その指定会場となっている湾岸区画で、屋台の立ち並ぶ中で裕樹とみなもが、裕香の手をつないで歩いていた。

「今年も大盛況だな」

「今年はどんな花火かな?」

「楽しみだね」

 裕香はひまわりの柄の青い浴衣、みなもは朝顔の柄の白い浴衣を着ていた。

「裕樹さんも、浴衣に着替えればよかったのに」

「そうしようかなと思ったけど、外じゃ動きやすい恰好のほうがいいからね……どっちかっつーと、浴衣が映えるのは女のほうだろ」

 なっと同意を求めるようにーー

「それは一応同意しておくが……よかったのか? 俺たちが一緒で」

「いいよ別に。そんな状態のダンナが芹香連れてるほうがよっぽど危険だ」

 先のクーデターにおける負傷で、首と左手にギプスを付け、完治は夏が終わるまでと診断された龍星。

 そんな中を、白百合の柄の藍色の浴衣姿の芹香と2人きりにするのは危険だと判断した裕樹は、ダブルデートの提案をして今に至る。

『気を使わせちゃって、ごめんなさい』

「いいよ別に。裕香だって芹香と一緒なら喜ぶし、そうだろ裕香」

「うん。芹姉ちゃん、一緒にリンゴ飴食べない?」

『いいよ。じゃあここは、お姉さんが買ってあげるからね』


「……まあ、ああいう芹が見られるのは、裕香ちゃんが一緒にいる時くらいだから、歓迎するべきなんだろうな」

「流石は龍星のダンナ、学園都市でも有名な愛妻家だねえ」

 裕香が離れたためか、みなもと自然に手をつないだ裕樹が、からかうような口調で龍星にちょっかいを出す。

「お前も大概だろう」

「俺の場合は愛妻家というより、仲良し家族って呼ばれるほうがいいかな」

「ははっ、俺も芹も一人っ子だから、素直にうらやましいな」


 ドーーン!


「あっ、始まったみたいだよ」

『じゃあ早く行こう』

「悪いな芹香」

『いえ、裕香ちゃんが喜んでくれるんなら、安いものです」


次は何書こうかな

夏らしいイベントでリクエストあったら、ぜひ。

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