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学園都市のクーデター(甘えん坊日和 短編)

 場所は朝霧兄妹の住居であるマンションの一室にて

「……早くどこかにお出かけしたいな」

「気持ちはわかるけど、今は我慢してね? ……裕香ちゃんに何かあったら、大変なことになるから」

「それは……わかってるよ」

 裕香とみなもは、部屋から出られない日々を送っていた。

 本来ならみなもは、現在保安部や生徒会SP達の駐留地となっている屋台通りで炊き出しをやってるはずなのだが……

「……こういう状況で、私が出歩いたり一人置いとくの危険だからって、みなも姉ちゃんがずっと一緒だからね」

「それに私も、裕樹さんの…………恋人って立場だからね」

「そうそう……でもみなも姉ちゃんと一緒なら、窮屈じゃないよ」

 そういって、今裕香はみなもに膝枕してもらっていた。

 買い物自体、幸いにも買い出しを、

「……こんなまったりしてていいのかな?」

「いいんじゃない? それより、テレビつけようよ。ユウ兄ちゃん映ってるだろうし」

 そういって裕香がテレビをつけると……ちょうど、裕樹が写っていた。

 大蛇型が裕樹に食らいつこうとするのを、裕樹が刀型電子ツールで顎の下から突き上げるシーン。

 それに間髪入れず、大蛇が裕樹の体を締め上げようと尻尾から裕樹の体に巻き付いて、裕樹が締め上げるその瞬間腕を抜き、大蛇の身体の倒立するように飛び上がる。 

 そのままくるんと体を宙返りのように翻し、大蛇のあごに突き立てた剣を掴みながら着地し、地面に叩きつけるように剣を振りぬいて大蛇が消滅していく。

 間髪入れずコモドドラゴン型に回し蹴りを叩き込み、噛みつこうとするのをバク転でかわし、地に手をついたまま顎を蹴り上げる

「……ユウ兄ちゃん、やっぱりかっこいいなあ」

「うん」

 テレビでは裕樹をはじめとして北郷正樹、鳴神王牙、御影凪の活躍が報じられている。

 ……単純に、ヒーローの活躍を報じ安心を促すためでもあり、北郷正樹の一撃必殺と名高い拳で亀形の甲羅が叩き割られるシーン。

 鳴神王牙が熊型と取っ組み合いを仕掛け、ブレーンバスターをかけるシーン。

 そして、御影凪が見るものを魅了するような見事な連続技で、虎型を押し切るシーンなどが流れている。

「みんな頑張ってるんだなあ」

「うん……裕香ちゃんのお兄さんは、あんなすごい人たちと肩を並べられるすごい人、なんだよね」

「そう……みなも姉ちゃん、そろそろご飯作ろ。ユウ兄ちゃん、お腹すかせて帰ってくるよ」

「そうだね。裕樹さんが帰る場所は、私たちで守らなきゃ」

「うん」



「……ただいま」

「あっ、お帰りユウ兄ちゃん。ごはん出来てるよ」

「お風呂も沸いてますから、どうぞ」

「……まず風呂に入らせて。さすがに朝から晩まではくたびれたから」

「はーい」

 裕樹が帰ってきて、風呂に入ってーー

 それから3人でご飯を食べて……

「--なんでこんな状況になってんのかな? いや、もう慣れたからいいけど」

 裕樹は左に裕香、右にみなもに抱き着かれた状態で、横になっていた。

「いいでしょ別に。ユウ兄ちゃんに何かあったらって、心配してたんだから」

「そうですよ……裕樹さんが無事だから、こういう時間が過ごせるんだってこと、ちゃんとわかってもらう為にです」

「……つくづくいい妹と彼女を持ったよ俺は」。


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