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甘えん坊日和(生徒会議事堂ビル訪問)

「どうも」

「あっ、朝霧さん。お話は伺っております、お連れ様はこちらをどうぞ」

 生徒会議事堂ビル、エントランス。

 本日は裕樹は、裕香とみなもを伴って一条宇宙総書記に会いに来ていた。

「……生徒会議事堂ビルにゃんて、ひゃじめちぇ来まちた」

「そりゃ生徒会議事堂ビルだけは、初等部でも見学開放されないから無理ないか」

「でも宇宙さん、どうしたのかな? 急にみなも姉ちゃん連れてきて欲しいなんて」

「さあ?」

「……きんちょーちましゅ」

「そんなガチガチにならんでも、別に危険な事なんてありゃしねえよ」

「さ、行こう行こう」

 場の空気だけで気圧されてるみなもに、裕樹と裕香は苦笑しながら2人でみなもの手を握る。

 それでどよっと周囲がどよめいて、即座に注目の的となった。

「ーーあの朝霧さんに彼女が出来たって、本当だったんだ」

「妹さん……確か、裕香ちゃんって子も懐いてるみたいだし、間違いなさそうですけど」

「あんなの見せられちゃ、間違いないと断言できるけど……信じられん」

「ーー僕も早く彼女見つけよう」

 それは、3人が乗ったエレベーターの戸が閉まると同時に、それを目撃したあちこちで交わされた会話


 --そして。

「あの懸案どうなってる?」

「うん。この予算で、こういう方針を採ろうと思ってる」

「うーん……やっぱり、もう一回相談しようよ」

 

「……ちょちぇみょゆーきゃちゃんとおにゃじにぇんりぇいのきゃいやりゃにゃいよ」

「--みなも、日本語どころか人間の言葉になってない」

「まあ私も、始めてユウ兄ちゃんに連れてきてもらったときは、すごく緊張したから無理ないよ」

「そういやそうだな」

 みなもは裕樹の後ろに隠れるように手を引かれ、その横で裕香がみなもの手を握ってる。

 勿論、その様子は周囲の注目を大いに集めていた。

「よおっ、朝霧じゃないか!」

「ひゃうっ!!?」

「ひゃっ!!?」

「ーー王牙、いきなりデカイ声出すんじゃねえって、何度も言っただろ」

「ああっ、妹が一緒だったか。それはすま……ん?」

 突然"大声で”声を掛けてきた巨漢、鳴神王牙が朗らかに笑いながら歩み寄ってきた。

 裕樹の抗議に、裕香がいた事に気付き謝ろうとした所で、みなもに目を向ける。

「そちらは?」

「みなも姉ちゃんって言って、私の将来のお姉ちゃん」

「将来だと? ほうっ、そうか、それはめでたい!」

「だから、声がでかいっつってんだろ。裕香、そういうことをべらべら言いふらすんじゃない」

「いや、大して変わらんと思うが?」

 裕樹の抗議にツッコミを入れると、完全に萎縮してしまってるみなもに握手を求めるように手を差し出した。

「まずは驚かせてしまった事と、挨拶が遅れた事に謝罪しよう。生徒会SP護送警備隊隊長、鳴神王牙だ」

「すっ、すじゅみにゃみにゃみょれしゅ」

「みなも姉ちゃん、落ち着いて。深呼吸深呼吸!」

「すーっ、はーっ、すーっ、はーっ……涼宮、みなもです。よろしく、お願いします」

「うむっーー朝霧、今度祝いの席を用意してやる。楽しみにしておけ」

「おっ、おい!」

「では、ワシは仕事があるのでこれで」

 そういって、嵐のように去っていった。

「……なんだか、すごい人でしたね」

「同感だーーさて、早く宇宙んトコ行こう」


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