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保安部訓練の風景

「やっぱ保安部の訓練はきついな」

「うん。僕達もこなせるようになるまで、結構時間かかったからね……まあ、こなせる人間を選ぶカリキュラムだから、仕方ないけどさ」

「だよなあ」

 保安部の訓練は、保安部に所属する生徒ではなく、金持ちや高官のSPを志す者やフリーの用心棒と言った、荒事に関わる生徒にも参加が義務付けられている。

その中でも最も過酷な機動部隊の訓練ともなると……

「…………」

「未だにこなせない奴も居る位だしな」

「……光一は仕方ないと思うよ。とりあえず、呼吸してるかどうかは確認した方がいいかも」

「痙攣もしてるけどな」

そう言った荒事に関わる生業であり、古武術の流れを汲む武術を習得している吉田鷹久と、同じくその鷹久の補佐と言う名目で参加している夏目綾香ですら、こなすのにかなりの時間を要した内容である。

 そしてその中でもエースとして、突出した実力を持つに至ったのも、最近となる。

「学園都市でも、一番危険な場所で身体を張る保安部の精鋭部隊、だからね」

「でもまさか、宇宙兄程の実力者が2人も居るとは思わなかったけどな」


 ビーーッ!


「よし、休憩終わりだ!」

「おっ、実戦みたいだなって、おっ! なあタカ、見てみろよ」

「ん? どうかした?」

 綾香が指さした先では、朝霧裕樹が東野辰美と組んでの実戦。

 学園都市の武闘派精鋭が集まっているこの場に置いて、剣戟に置いての最強は間違いなく朝霧裕樹の名があげられる。

 その朝霧裕樹に唯一剣で戦える相手が、東野辰巳という少女。

「よし、来い。対峙するからには、手は抜かんからな」

「はい、北郷さん」

 他には、一部では鉄塊をサンドバッグ代わりに鍛えたと逸話がある、一撃必殺の剛拳と名高き保安部長官、北郷正輝が保安部のマスコットと名高き少女、高峰光と相対している。

「さて、あたし達は……」

「俺とやらないか? 2人一緒でいいからさ」

 2人にそう進言したのは、保安部でも防衛戦に定評のある機動第一部隊隊長、中原大輔。

 彼の防御を破る事――それが最強を名乗る条件の1つと数えられていて、鷹久も綾香もコンビネーションを駆使してすら破った事はない。

「丁度良いや。今日こそお前の防御破るからな!」

「その言葉、訓練の度に相対する奴1人1人に言われるから、もう聞きあきたよ。なあ、ウイウイ」

『ウ~イ~』

 間延びした声に、ドスンと重みを感じさせる四肢に甲羅。

 大輔の亀型電子召喚獣ウイウイ。

「――うし、今日こそは破るぞ! セレーナ!」

『ガルルルルルッ!』

 牙が特徴的な、線の細めなフォルムの虎。

 学園都市でも珍しい部類に入る古代種、サーベルタイガー型電子召喚獣セレーナ。

「だったら鷹丸は撹乱だよ。ウイウイはのんびり屋だけど、処理能力自体は高いし、防御力は半端ないから」

『ヒュッ!』

 鷹の眼と呼ぶに相応しい鋭い目つきに、それに見合ったきりっと引き締まった表情。

 鷹久の電子召喚獣、鷹型の鷹丸。

「ウイウイ、天地陣行くぞ!」

『ウイ~』



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