甘えん坊日和(2人きり)
「裕樹さんと家で二人きりは初めてれしゅね?」
「言われてみれば」
本日、朝霧家に遊びに来たみなもは、裕樹と2人きりだった。
裕香とて、いつも裕樹やみなもに(家内限定で)べったりと言う訳ではなく、本日は友達と遊びに出ている。
「まあそれでどうとかはないと思うけど」
「――そこは少しは動揺してくだちゃい」
「――してるよ? ……こうでも言わんと、なんかぎくしゃくしそうだし」
「……言っておいてなんですけど、意外れしゅね? 巨大違法召喚獣や手配犯を相手に怯まない様な人が」
「いや――そう言うのと、恋人付き合いを一緒にするのもどうかと? 俺、こういうの初めてだし……何しようか?」
実は大抵裕香がひっついてるため、外出以外で二人きりの時間と言うのは、あまりなかったりする。
みなもは終始顔が真っ赤で、裕樹も(こういう時限定で役に立たない)頭を悩ませている。
「――そうだ! あの、裕香ちゃんがいる時でも普段やってる事やりましょう!」
「……それが良いな。じゃあえっと――一緒に寝るとか?」(他意はない)
「いえ、流石にいきなりお昼寝と言うのは」(他意があっても気付けない)
「まあそうだな(残念と思ってない)――じゃあ、ココア入れるからお茶にしよう」
「それが妥当れしゅね」
お菓子を出して、裕樹がココアとコーヒーをいれて、ティータイム
「光一のお菓子の家を?」
「はい。サークルの皆で、ビッグサイズのを作ろうって計画してて」
「そりゃすごいな」
ティータイム自体は、滞りなく進んでいた。
元々2人で話す事もあったし、喫茶店での談笑も普通にやってるから、ある程度の2人の時間は創れる。
「――結構楽しい時間作れたな」
「そうれしゅね――もっと色々とお話ししたい位れしゅ」
「そうだな……さて、どうしよっか?」
「ただいまー!」
「おっ、帰って来たか。さて、裕香の分のココア入れてやるか」
「じゃあその間、裕香ちゃんの甘えんぼさんは、私が引き受けますね」
「頼むわ」
――数分後
「~♪」
「やれやれ……」
「――2人きりの時間も良いけど、やっぱり裕香ちゃんを含めた時間も、私には大切です」
「そう言って貰えて何よりだ」




