思いつきカップリング(寝正月)
二年祭りが終わって、すぐの朝霧兄妹の部屋にて。
「それ、何読んでるんですか? 英語の表紙なんですけど」
「リア王だけど?」
朝霧裕樹は、実は結構読書好き。
言語学科主席ともあり、英語本を日本語の様に読める為、自宅の本棚には英語本が多く、休日はもっぱら読書している事が多い。
裕樹とみなもが親しくなって依頼、休日はみなもが裕樹達の家に遊びに行く事が常になった為、二年祭りが終わってすぐみなもは朝霧兄妹と共に2人の家にて。
その際専らみなもは、家の中限定と言えど完全に遠慮がなくなり、甘えんぼの時間と称してじゃれついてくる裕香の相手がメインであり、現在も裕樹の隣に座りながら、裕香を抱っこしている。
裕香はみなもの胸に顔を埋めてギュッとだきしめ、みなもは裕香の頭を撫でながら背をさする。
「私の部屋にいる時より、甘えんぼさんだね」
「――甘えんぼは家の中限定だけど、年中無休だもん。それにお姉ちゃんなんだから、甘えんぼは割増でーす」
「――普段は裕香が遊びに出てる時以外での読書は、絶対に裕香抱っこしながらだよ」
「今度は
そう言うと裕香は、みなもから離れて今度は裕樹に背を預ける様にして座った。
裕樹も片腕は本を持ったまま、もう片方を裕香の腹に回し、裕香が落ちついた様に身をゆだねる姿に、みなもは微笑みを浮かべる。
「――私以外に甘える裕香ちゃんって、こうなんですね」
「裕香はそう誰彼構わず甘える子じゃないからね。俺だって裕香が俺以外に甘える所なんて、数える程度しか見た事無いよ」
「そうなんですか? ……意外と基準厳しいんですね。でもお兄さんだからこその安心感って感じですよ」
「それなら、みなもの方が大好きオーラ出まくってるよ」
そう言って裕樹は、パタンと本を閉じた。
「――さて、と……眠いし、寝る?」
「そうですね。裕香ちゃん、裕香ちゃんの部屋で一緒に――」
とみなもが言う前に、裕香はみなもの腕を掴みながら抱っこから離れて、裕樹に飛びついた。
「一緒に寝る」
「ダメ」
「ダメじゃないよ。みなも姉ちゃんに甘えんぼの時間の良さ、わかって貰うんだもん」
「あのな、年齢的にアウト……」
「――私は、良いですよ」
「……わかった。じゃあちょっと離れてな? ソファー倒すから」
「はーい」
裕香が離れる、みなも達が立ち上がると、裕樹は座っていたソファー、ソファーベッドを倒してベッドにし、バランスを整えてまずは裕樹が
その隣にみなもが裕樹の腕枕で寝そべり、その間に裕香が割り込んだ
「……ねえみなも姉ちゃん、良い夢見れそう?」
「――みれない方がおかしいと思う」
「……じゃあさっさと寝よう――正直な話、開き直らんと寝られそうにない」
「そうですね」
「――♪」




