思いつきカップリング(見学IF)
姉妹の様なひと時(6)
それを思いつきカップリング設定でのIFストーリーにしてみました。
学園都市自然公園
ここは主に植物や自然研究方面の実習及び、美術科の絵画専攻学生の写生の場、そして休日には憩いの場に使われる。
本日みなもは、風景画の実習として受講している学生と共に、そこに訪れて――。
「あっ、みなも姉ちゃん!」
「え? 裕香ちゃん?」
実習見学に来ていた初等部の1人に、見知った顔――と言うか、将来の義妹の姿があった。
学園都市における初等部の教育方針は“興味”
基礎学習は勿論だが、この学園都市で様々な業務を営む学生達に触れさせて見聞を広め、興味と憧れを促す為に実習見学に力を入れている。
「? 涼宮さんの、知り合い?」
「知り合いと言うか――」
「将来のお義姉ちゃんだよ」
実習生がみなもに裕香の事を尋ねると、裕香が爆弾発言を投下した。
一瞬時が止まり――
「ええええええええええっ!!?」
大絶叫が起こった。
「ゆっ、裕香ちゃん!?」
「? 何かいけなかった?」
「えっと、いけないって事はないけど……」
「ねえゆーちゃん、じゃあこのお姉さん、朝霧先輩の彼女さんなの?」
再び時が止まった。
「朝霧……? ――あの、まさかお嬢ちゃんのお兄さんって、朝霧裕樹?」
「うん」
周囲の実習生がざわめき、裕香に注目が集まった。
驚きを通り越し、逆に冷静になったという感じで。
「――でも驚いちゃった。今日の受講に実習見学が来るって話は聞いてたけど」
「うん。まさかみなも姉ちゃんとはち合わせるだなんて――」
「――朝霧さん、後にして。私達は実習見学に来たんだから、邪魔なのよ」
その場の雰囲気を壊したのは、裕香と仲が悪いクラス委員長、飯島睦美。
その顔は不機嫌その物で、裕香もハッキリと邪魔と言われてカチンときたが、実際周囲を騒がしたのは事実な為、大人しく引き下がった。
「――ごめんみなも姉ちゃん、邪魔しちゃって」
「ううん、良いよ」
「……」
「? えっと……何かな?」
「――ふんっ!」
不機嫌さを隠そうともしない睦美に睨むように見つめられ、みなもは苦笑いを浮かべ問いかけると、そっぽを向かれた。
それから、初等部代表――睦美のあいさつが行われ、みなもは仲が良い友人数名とスケッチに向かい――
「言葉位選んでよ!」
「うっさい!」
その背に、裕香と睦美の口げんかの怒声が突き刺さった。
――数分後
「――ごめんね、みなも姉ちゃん」
「それは良いけど……ちょっとびっくりしたかな? まさか裕香ちゃんに、犬猿の仲の子がいただなんて」
「――あっちが何かと突っかかって来るだけ。あたしのユウ兄ちゃんの妹って血統書に、皆注目してるのが気に入らないんだよ」
「思ったより大変なんだね、裕香ちゃんも」
結局ケンカ別れし、裕香は仲良しの2人を伴って、みなも達のグループについて行っている。
「――涼宮さん、随分懐かれてるね?」
「うん――つき合う前から……時々裕樹さんに頼まれて、預かったりしてたから」
「そうだよ。休みには一緒に買い物行ったりしてたんだ。最近は、ユウ兄ちゃんとみなも姉ちゃんの一緒の時間を増やしたいから、控えてるけどね」
「ふーん。ゆーちゃん姉妹仲は良好なんだね?」
「うん。前からお姉ちゃん欲しかったし、みなも姉ちゃんだったら大歓迎♪」
「……でも驚いたね。朝霧裕樹に妹がいるって聞いた事はあるけど、まさかこんな可愛い子だなんて」
「良いなあ涼宮さん。あんな有名人と付き合って、更にはこんな可愛い妹まで」
その後、実習見学は和気藹々で進み、終わった。




