Nightmare Dive(5)
アンケートですが……
龍星は考えてみたら、状況的にNGだったので、LAN武さんには謝罪します
そして、それ以外だと0だったので。
状況的に最適と思われるのを自分で決めました。
LAN武さん、誠に申し訳ありませんでした。
「準備は良いかい?」
「……いつでも良いわ」
「ティナの顔は久しぶりだ――大丈夫なのか、ひばり?」
「大丈夫――罪って部分なら、あたしにもわかる事や出来る事があります。だから、行かせて下さい」
メンバーは朝霧裕樹、クリスティーナ・ウェストロード、支倉ひばり。
他は外部からの横やりや妨害を考慮し、隠ぺい工作をする事に。
「……出来れば、俺も行きたいところだが」
「まあ諦めなダンナ。俺達が居る中で、女だけ残す訳にもいかんだろ?」
『……鮫島先輩。あなたは』
「やめな瀬川、俺はもう生徒会SPじゃねえんだ、如何にお前のカレだろうとセンセの邪魔するってんなら、容赦する気はねえぜ?」
「辻斬りに堕ちた生徒会SP――確かに、お前みたいなのが居る場所に、女残しておけねえか」
鮫島剛が愛用の電子ツール、“王鮫”を手に取り、龍星が芹香を庇う様に構えを取る。
「……」
それに見向きもせず、九十九は怜奈の世話役の学生が押し込められた、怜奈の趣味用の和室への戸に歩を進め、その前にどっかと腰掛ける。
「……総帥にご報告しなければ」
「おじさまへの御報告は、私に任せてください。蓮華さんはそれよりここで、怜奈さんのそばにいてあげてください」
「畏まりました」
南波が声をかけ蓮華が頷き、南波が部屋を後に。
『待ってください。私も』
「芹?」
『……生徒会も、東城さん絡みなら黙ってないと思う。だから、一条総書記に報告して、動きを止めて貰いに行って来る』
それに芹香が続いて、部屋には蓮華と龍星、剛に九十九。
そして……
「感覚としては、普通のVRと差して変わらないよ。ただ、人の意識に入りこむ訳だから、精神負荷がオーバーすれば強制帰還する様になってる……さて、準備は良いかい?」
「いつでも」
「私もよ」
「――はい」
「じゃあ……」
太助がタブレットを操作し、裕樹達がヘッドギアを取りつけ――
4人は、水鏡怜奈の意識へと飛んだ。
――まず、視界に入ったのは見慣れない天井
そして……
「……みんな無事かい?」
太助の安否を問う声。
「――大丈夫だ」
「おねーさんは問題ないよん♪」
「あたしも、大丈夫です……でも」
4人は起き上がり、周囲を見回した。
先ほどまで4人がいた、水鏡怜奈の寝室とほぼ変わらない……ただし薄暗く、周囲がセピア色一色の部屋
更には細かな内装が異なっており、家具の大きさが明らかに自分たちの年代より下の物になっている。
「……ここは、怜奈の部屋だわ」
「――家具の大きさからして、4、5歳くらいか?」
「ええ……住居ビルではなく、水鏡家本宅にある、それ位の年齢の時の怜奈の部屋よ」
「へえっ……しかし、なんか妙に寒いなここ。大丈夫かひばり?」
「……はい--寒いのは、何となくわかる気がしますから」
裕樹はぶるりと身体を震わせ、周囲を見回した。
「ティナ、君は水鏡家に来た事があるのかい?」
「ええ――水鏡家とウェストロード家は、私達の祖父の代から親交があったの。だから怜奈とは幼馴染で、良く一緒に遊んだわ」
「そうだったんだ……クリスと怜奈さんに、そんな――」
明日を!
「え?」
私達の明日を返して!
「……なんだよ、これ?」
あいつ等の私達を見る眼は何!?
貴女の距離が近いだけで、ゴミを見る眼をしていた!
何故、お前の視界に入ったというだけで、僕の将来は閉ざされなきゃならなかった!?
お前の美しさは暴力だ!!
魔性の女が!!
男を見下し、踏み躙る事がそんなに楽しいのか!!?
その優しげな顔の下は、一体どんな嘲笑が隠れてるの?
――悪魔の美しさ! 魔性の女!
「――この声、頭の中にまで響いてくる」
「……なんなの、これ?」
「まさかこれが、怜奈に注ぎ込まれた悪夢循環プログラムの……」
ガタンッ!
「――!」
『カエシテ! ……ワタシタチノミライヲ、カエシテ!』
『ソノビボウガコワシタ、ミライヲ……カエシテクレ!』
「なっ、なんだこいつ等!?」
窓、扉、家具と言ったあらゆる個所から這い出て、あるいは突き破り姿を現したのは、のっぺりとした氷を磨き人型にした様な何か。
それが押し寄せる様に、一斉に裕樹達に襲い掛かった。




