四神と四凶の会合(1)
こちらは、GAUさんの四神の少女の1人、北丘武瑠です。
思ったよりスムーズに進んでしまった為、同時掲載にします。
「……大したもてなしは出来ないけど、良いかい? 北丘武瑠さん」
朔夜会の用意した、太助の隠れ家の1室にて。
パソコンを操作していた太助が、キーボードを操作する手を止めず、画面に眼をむけたままそう告げた。
「……気付いたか?」
「僕の技術、北丘の者が黙ってるとは思ってないからね」
「……伊達に学園都市への反逆を企てないか。東城太助」
太助の背後に立っているのは、黒いコートを羽織り、寡黙で物静かな雰囲気を纏う、クールな印象を持つ小柄な少女。
保安部が治安維持を目的とした組織であるのに対し、機密保持を目的とした学園都市対暗部特務部隊の隊員、北丘武瑠。
「で、用件は?」
「言わずとも、お前ならばわかっているだろう?」
「断らせて貰う。今の学園都市に、僕が捕まる事があっちゃいけないんだよ」
「それを決めるのは、お前ではない」
「やれやれ……」
太助がキーボードのエンターキーを押すと、太助の右腕に金属製の小手が具現する。
それを見た武瑠が、咄嗟に鉄扇を具現し振るい――
ガキンッ!
それが、突如割り込んできた何かに阻まれた。
「流石に君相手に、手の内は隠さないよ」
そう言った太助の前には、人型が立っていた。
――正確には、マリオネットを思わせる構造の人形が、太助の手に着けられた小手の指の動きに合わせるように、かくかくと揺れる様な動きをとりながら、カパッと明けられた口から伸びる銃口を、武瑠に照準を合わせる。
「僕には、君達の様な相手とやり合う程の身体能力はないからね」
「――傀儡人形を武器にしたか」
「そう言う事――勿論、仕掛けも満載だよ」
「ならば――玄甲」
武瑠の声に呼応する様に、黒い甲羅を持つカメ、玄武型電子召喚獣 玄甲が、姿を現した。
甲羅の上に水が生成され始め、それが流れを創り始める。
「玄甲に数は通用しない」
「だろうね――なら、おいでクロカミ」
人の顔に、漆黒の長い体毛に包まれた虎の身体を持ち、長い尾とイノシシの様な牙。
キメラの様な異形の風貌を持つ、檮杌型電子召喚獣クロカミ。
「……檮杌か。四凶を私にぶつけるとは、とんだ当てつけだ」
「偶然だよ――まあ折角だから、見せて貰おうかな。僕の四凶達が、君達にどれだけ通用するのかをね」




