表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
134/402

体育祭シーズン 王者の祝祭(エピローグ)

 エキシビジョンマッチ終了。

 接戦は予想されていた為、終了したと同時に配備されていた救急医療班が、待ってましたと言わんばかりに駆け付け、あっと言う間に参加者を運んで行った。

 一応4人が運び込まれたのは、控室が設置されてる生徒会所有のビルの一室。

「ユウ兄ちゃん!」

「ユウ、大丈夫!?」

「裕樹さん!」

 運び込まれたと同時に、控室の中継で試合を観戦していた宇佐美、裕香、ひばりの三人は裕樹が運び込まれた部屋に駆け込んだ。

「はいストップ。心配なのはわかるけど、仮設置とはいえ病室なんだから静かにね?」

 4人の医療班の班長に抜擢されたのは、医学部首席である月。

 処置を終えて着替えていたのか、血塗れの医療用のゴム手袋を

「月姉ちゃん、ユウ兄ちゃんは!?」

「だから、静かにね? 大丈夫、出血は止まって縫合も済んでるから、後は安静にしておくだけよ」

「――良かった」

「それじゃ私は、他の3人の処置もしないといけないから、ここ任せるわね?」

「え? 任せるって――」

「何かあったら、私のD-Phoneに連絡するだけでいいから。それと――」

「月さん、何か企んでません?」

 ひばりは直感的に、月が悪戯を思いついた笑みを浮かべたのを察知した。

「企んでるなんて失礼な。軽食用意してあるけど、安静にさせなきゃいけないから食べさせてあげてって、言おうとしただけよ――じゃあね」

「え? 食べさせ……あの、ちょっと!?」

「うん、わかった」

 宇佐美とひばりが動揺するのを気付かない裕香が、満面の笑顔で頷いた。

 じゃあお願いね、と裕香の頭を撫でて戸をあけ――2人に挑発っぽい投げキッスをして、月はドアを閉めた。

「さて、と……あれ、どうかした? ひばり姉ちゃんに宇佐美姉ちゃん

「……裕香ちゃんに罪も悪気もないのはわかるけど」

「はい……いえ、深く考えるのやめましょう。考えてみたらあの出血ですから」

「そう、だね。それより、早く裕樹さんの所へ」

 と話してる間に、裕香は既に裕樹が寝てるベッドの横の椅子に座っていた。

その裕樹はと言うと、左目を中心に顔の左側を覆う様に包帯が巻かれていて、規則的な寝息をたてている

「――ホンットもう。ユウが寝込んだら、一体誰があたしを守ってくれるんだか」

「へえっ、宇佐美ちゃんってそこまで裕樹さんの事信じてるんだ?」

「へ? ――まっ、まあ……色々と失礼な事言われたり、セクハラ発言とか日常的にされてますけど、仕事自体はきっちりやってくれたり、気を使ってくれてるから……もうユウなしでの仕事は考えられないです」

「――そっか」

「支倉先輩も――最近随分と、ユウに対しての雰囲気変わったと言うか……」

「――ちょっと、色々とあっただけだよ。あたしもね、裕樹さんについては宇佐美ちゃんと同じで……信じてるから」


「…………(じー)」


「――あの、裕香ちゃん?」

「――えっと、何してるの?」

「もしかして、どっちかが私のお姉ちゃんになってくれるのかなって」

『ふぇっ!!?』


「んっ、んんっ……? なんだ? どういう状況だこれ?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ