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学園都市のハロウィン(エピローグ)

前中後篇にすればよかったかも


「トリックオアトリート」

「ハッピーハロウィン」

 裕香のクラスは、屋台通りを回っていた。

 学園都市は広い為、ある程度のルートを定めて時間差をつけての訪問となり、裕香のクラスメイト達は思い思いに興味を惹かれた屋台へと歩を進める。

「トリックオアトリート、つぐみ姉ちゃんにみなも姉ちゃん」

「あっ、裕香ちゃん。ハッピーハロウィン」

「ハッピーハロウィン。美味しく出来てましゅよ」

「ありがと、みなも姉ちゃん」

 裕香は当然、つぐみ達のサークルの屋台に一直線。

 友達を連れて、みなもからパンプキンパイを受け取り――

「わあっ、綺麗な人」

「こんな美人さんと知り合いなんだ、ゆーちゃんって」

「ひぇっ!!?」

 裕香の友達に美人と呼ばれ、しゃっくりをあげる様なみなもに裕香が苦笑する。

「ははっ、褒められ弱いなみなもは」

「あっ、光一兄ちゃん。トリックオアトリート」

「ハッピーハロウィン、裕香ちゃん。はい」

 そこへ、全身を包むマントに背中を鷲掴みする巨大な悪魔の飾りをつけ、大鎌を持った死神の仮装をした光一が、裕香の頼まれものを持ってきた。

「わっ、ジャック・オ・ランタン」

「すごっ!」

「流石光一兄ちゃんのパンプキンヘッドケーキだね」

「そっちのお姉ちゃんたちの、パンプキンパイほどじゃないよ」

「ハッピーハロウィン。私からも」

 光一に続く様に、歩美もクッキーを裕香達に差し出した。


「……」

 そんなお祭りの中で、唯一面白くないと言わんばかりに、むっつりと輪から外れてる少女が1人。

「ハッピーハロウィン」

 お祭りの輪から外れてる、裕香と仲が悪い委員長に裕樹がお菓子を手に歩み寄る。

「! ……あっち行ってください」

「――引率者として、楽しめてない子はほっとけないよ」

「でしょうね。私は貴方の妹が大っ嫌いで、今まで散々先輩の悪口を言ってきたんですから、引率者としてじゃなきゃ――」

「相変わらずみたいだね、お嬢ちゃんは」

「――子供扱いしないでください! 大体私には、飯島睦美って名前があるんです!」

「そりゃ悪かった――嫌いなら嫌いで良いから、せめてお祭りの時位そう言うのはなしにしような、睦美ちゃん?」

「……やっぱり貴方達兄妹なんて大っ嫌い」

「――あれ?」

 大嫌い発言に裕樹がクビを傾げるのを無視し、睦美が投げやり気に――

「トリックオアトリート!」

「……? あっ、ああ……ハッピーハロウィン」

 裕樹が差し出したお菓子を、ひったくるように受け取って、掛けて行った。

「あっ、ユウ。そんな所で――」

「……女の子ってよくわからん」

「何してるのよ?」

「無視か!!?」

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