学園都市のハロウィン(1)
ひばりん誕生日ネタも終わった事ですし、ハロウィンです。
学園都市のハロウィン、いきなり波瀾の予感を堕しといてなんですが楽しく書きたい所ですね。
「ハッピーハロウィン♪」
裕香の所属する小学校は、既にお祭り気分。
皆纏った仮装で盛り上がり、女の子は見せあいっこで大はしゃぎ。
「ゆーちゃんは魔女なんだね?」
「うん。みっちゃんはやっぱり猫で、なっちゃんは狼なんだ」
「にゃ~♪」
「それよりゆーちゃんが羨ましいなあ。それ、宇佐美ちゃんが昔着てたのでしょ?」
「うん、私なら似合うって言って、貰ったんだ」
「――なによ、また自慢?」
そこへ割り込んできたのは、おなじみ裕香と犬猿の仲の委員長。
ジャック・オ・ランタンのパンプキンを所々に飾った、彼女自身の自身作だと言う魔女の衣装を着た彼女は、不機嫌そうに裕香を睨みつける。
「あのさ、お祭りにそう言うの持ち込まないでよ。気分が台無しになるから」
「うるさいこの七光! 使い古し貰った位ではしゃがないでよね!」
「だから、気分が台無しになるからやめてって言ってるでしょ! 今日は折角――」
「やめろ裕香」
「あっ、ユウ兄ちゃん」
裕香が怒鳴り付けるその時に、裕樹が裕香を抱きとめる。
蝙蝠を模した眼帯をつけ、ドラキュラの衣装を纏った独眼の吸血鬼風の格好で。
「――なあ裕香、俺にドラキュラは」
「似合ってるよ。ね、みっちゃんになっちゃん」
「はい、良くお似合いですよ朝霧先輩」」
「……(ぽーっ)」
「? どうしたの、えっと、なっちゃんだっけ?」
「え? ――いえ、その、カッコ良くてつい見とれちゃって」
「そう? ありがとう」
実はなっちゃんと呼ばれてる少女は、裕樹のファンである。
「へえっ、結構モテモテなのね? ユウって」
「よせよ宇佐美」
からかう様な口調で、ネコ耳カチューシャに黒の毛皮のケープ、鈴付きの首輪に尻尾つきのスカートの、猫を扮した衣装の宇佐美がからかう口調で入ってきた。
「あっ、宇佐美ちゃん! サインして!」
「握手してください!」
「貴方達、裕香ちゃんのお友達? うん、良いよ。折角だから、記念撮影もする?」
「え? 良いんですか!?」
「ありがとうございます、私、宝物にします!」
「宇佐美だって十分人気者じゃん――っと、そろそろ時間だな」
初等部のハロウィン仮装行列は、主に保安部が引率を務めている。
一応裕樹は、保安部の補佐業務の許可が下りている為、今回妹のクラスの引率を任される事となっていた。
裕樹の護衛対象になる宇佐美も、裕香のクラスならと引率同伴を快く了承した上で。
「感激~。あの朝霧裕樹先輩に守って貰えるだなんて」
「それもいいけど、私は宇佐美ちゃんが一緒なのがうれしいな」
「後で記念撮影してくれるって」
「楽しみだなあ」
クラスは、有名人2人が引率してくれるともあって、上機嫌だった
――ただ1人を除いて。
「それじゃ出発――の前に、委員長は……」
「……私です」
「それじゃ今日はよろしくね」
「……ふんっ!」
面白くない。
そう言わんばかりに、裕樹からそっぽを向いた。
「ちょっと、私ならともかくユウ兄ちゃんは!」
「やめろ裕香。大丈夫――俺が気に入らないなら気に入らないで良い。仕事はしっかりやってくれればそれで良いから」
「……しっかりやりますよ。委員長なんだから」
「だったら良い。裕香も良いな?」
「……わかった」
「――ねえ、あの子と裕香ちゃんってもしかして」
「はい。ゆーちゃんと委員長、学校でも有名な犬猿の仲なんです」
「委員長、朝霧裕樹先輩の妹って血統書付きで、人気者な裕香ちゃんが気に入らないみたいで」
「--裕香ちゃんも苦労してるんだね(生徒総会総書記の妹)」
……ひばりん誕生日、反応なしは流石にきつかった
と言うか、この結末でよかったのかが急に不安に……




