姉妹みたいな一時を(みなも編 その4)
トントントントン!
「~♪」
本日みなもは、裕香が手料理をふるまってくれるとの事で、掃除洗濯などは全て済ませてしまってるため、手持ち向沙汰だった。
「――どうしたの、今日は?」
「なにが?」
「今日は手料理をふるまってくれりゅだなんて」
「普段お世話になってるから、そのお礼だよ」
そう言って裕香は作業に戻る。
「――そう言えば裕香ちゃんは、元々こういう子らったれしゅ」
最近は甘えん坊な一面ばかりが印象深かった為、みなももこの部屋では裕香のしっかり者の一面をすっかり忘れていたと言うのが、素直な感想。
「はい、出来たよー」
そう言って裕香が料理を並べて、2人で楽しくお夕食。
「どうかな?」
「うん、美味しいよ」
「よかった。そうだ、今日ね――」
会話も弾み、瞬く間に夕食はおしまい。
食器を片づけ――
「みなも姉ちゃん♪」
終わる頃に、裕香がみなもに抱きついた。
「――やっぱり甘えんぼさんになっちゃうんれしゅね」
「~♪」
「……テレビでも見て待ってて? 食器洗ったら抱っこしてあげるから」
「今してくれなきゃやだ」
そう言って裕香は、みなもの腰に顔を押し付け、抱きつく腕の力を強める。
「痛たっ……しっかり者の時と甘えんぼさんの時とじゃ、ホントに全然ちぎゃうね」
「何が?」
「なんでもないよ――それと、痛いからやめて?」
「や」
「一言……ね? さっきまでのしっかり者な裕香ちゃんに――」
「今は甘えん坊な裕香ちゃんだから、抱っこしてくれなきゃ離れない――ぎゅ~♪」
「まるで反動みたいれしゅね」
結局みなもの方が折れて、裕香の気の済むまで甘えさせてやり--
「――お風呂の準備終わったから、出来たら入ってね?」
「一緒にはいろ? お皿、洗ったから」
「あっ、やってくれたの? ありがとう」
風呂を沸かすのが少し遅くなった代わりに、皿洗いを裕香がすませていた




