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学園都市生徒総会

 学園都市生徒総会。

 総会長、総副会長、総書記、総会計、そして現場最高責任者である執行部長の5人で構成される、学園都市内政における最高権力。

「以上が報告となります」

 生徒会執行部長、岩崎賢二。

「――やはり、東城太助の技術は、現状最先端に位置してるようだね」

 生徒総会総会計、天草昴。

「今までとは一線を画した完成度の違法召喚獣に、S級手配犯を2人も従えている――少数ながら、脅威として十分まかり通ると見て、間違いないだろう」

 生徒総会総副会長、大神白夜。

「脅威――と呼ぶのはどうかと思う。こちらで調査した限り、学園都市をどうこうしようなんて野望がある様には思えない」

 生徒総会総書記、一条宇宙

「その根拠はなんだい?」

「――確かに朔夜会に加担し、違法召喚獣を提供したことで学園都市の治安は大きく乱れたのは事実。しかし、こちらで進めてる調査では……」

「テロリストのやる事だぞ! そんな推測が当てになるか!!」

 生徒総会総会長、井上大和。

「足取りがつかめているなら、早く東城太助を逮捕しろ! 奴がテロリストであるという事実外の事などどうでもいい!」

「――勿論逮捕を前提として調査してます。ですが、東城の目的に生徒会の権力を悪用する者の……」

「そんな推測当てになるか! 大体そう言う事なら、保安部なり執行部なりに訴えかければ済む話だ! 奴の勝手の所為で、生徒会の面目は丸潰れだろう!!」

「――真っ当な方法を“取らない”と“取れない”は違います。それに面目と言うなら、この情報について話を聞かせて貰いたい」

 そう言って激昂する総会長に突きつけたのは、主に龍星が行った調査の報告書。

 生徒総会の会議における発言権は、学園都市各機関の最高責任者(主に保安部長官等)である事。

 それ以外では、同伴自体が生徒総会の2人以上の承諾がなければ出来ない為、この場に龍星は来ていない。

「事件のもみ消しに関しては、文句は言いません――ですが、件の被害者と思われる生徒に何らかの圧力が掛けられていると言うのは、一体どういう事ですか!?」

「――知らんな。大体何らかの圧力だ等と」

「――生徒総会に一条宇宙総書記より、生徒会内部調査の承認動議を進言します」

「――!」

「東城太助の調査を進める上で、必要不可欠であると判断した上での動議です」

「ふざけるな! そんなこと後でも――」

「承認」

「僕も承認」

 総会長の言葉を遮り、白夜と昴が承認を進言。

「――総書記の疑問も最もですよ、総会長。流石に被害者に圧力が掛けられているかもしれないなら、黙る訳にはいきません」

「しっ、しかしだな――」

「往生際が悪いぞ、井上。椎名九十九の事件以降、生徒総会は人道的な倫理観を重視した方針を取った上で、北郷保安長官の保安部改革案を承認したのではないのか?」

「うっ……わかった、承認する。それで――」

「一条、吠えたからにはわかっているな?」

「ああっ――わかってるさ」

「では、次の議題ですが――」

「……」

 執行部長の進言で話が進められるが、総会長は苦虫をかみつぶしたような顔を、貫き通していた。

「――やれやれ、井上総会長もああも先走らなくても良いのに」

「――仕方なかろう。元々学園都市理事会、井上理事長の孫である以上相応の功績が必要になる。権利とは責任……我等が最も理解せねばならん事だ」

「違いない」



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