久遠光一の女性事情(笑)
今回はクリスティーナ・ウエストロードです。
レフェルさんからのコラボキャラも含め、バカテス時代以来の、光一の女性事情大豊作みたいな?
そんなシリーズ作ってみようかなと計画中。
「えーっと……」
偏光メガネをかけ、軽快なブラインドタッチで文書を作成。
屋台経営、保安部協力者等、手広く活動している高等部2年、久遠光一は現在受講している電子ツール学で提出する、研究経過レポートを作成している。
「~♪」
光一は電子ツール方面では主に、保安部で使用する武器系の電子ツールの研究を行っており、その試作品などを保安部の訓練等で使用し、あるいは依頼を受けて開発している。
朝霧裕樹が使っている刀もそうだし、自身が使っている銃も然りで、それらの実戦データを纏め、レポートにする。
データ収集には抜かりがなければ、作っておいたマフィンをつまんで、コーヒーで喉をうるおしつつで、光一はレポート作成を順調勝つご機嫌に進めていた。
「こーいっちゃーん♪」
「わっ!!? ちょっ、クリス!?」
「おねーさん最近忙しくて、とーっても疲れたよん。だから最近あゆみんばっかりだった分、お姉さんとしっぽり遊んで欲しいよん」
「言いたい事は良くわかるし、出来ればしっぽり……の部分は外して欲しい所だが、今レポート作ってるから、これが終わるまで待ってくれ」
……事実上、ほぼ同居人と化しているクリスティーナ・ウエストロードが、光一の頭を胸に抱える様にしてしなだれかかって来ていなければ。
「むーっ、つまんないよん。折角こーいっちゃんとあゆみんのお手伝いって張りきってた所に、今日は休みだって言うからねい」
「疲れてるんなら、ベッドも風呂も使って良いからそっちでゆっくりして」
「こーいっちゃんが一緒に入ってくれなきゃやだよん」
「話聞いてた!?」
「じょーだんだよん、お姉さんの愉快なジョークだねい」
「どこまでが冗談やジョークの部類かが――わからんなるからここで脱ぐな!!」
クリスをバスルームへ追いやって、光一は先ほど見た物を忘れる様にマフィンをほおばり、コーヒーで無理やり流し込む。
「……早めに済ませよう。クリスが風呂からあがったら、集中どころの話じゃなさそうだ」
光一はD-Phoneを取り出し、イヤホンを取りつけて宇佐美に貰った新曲のデータをロードし、再度レポート作成に勤しみ始める。
――それから。
「――そろそろ切り上げるかな」
キリのいい所に差しかかると、光一はリピート再生にしてあったD-Phoneの再生を止めて、ぐっと背を伸ばして身体を捻り――。
「……すーっ……すーっ……」
自身のベッドで寝息を立ててるクリスが眼に入った。
体勢的に、自分を見つめてるような感じになってるため、邪魔をせずずっと見ていたが、疲れで眠ってしまった事が伺える。
「……起こすのも気が引けるし、今日は床で寝るか」
――翌朝。
「んにゃっ? ――あれ? もしかしてお姉さん、寝ちゃってたのかねい」
ベッドに横になって、光一の集中してる姿をじっと見ていた筈が、いつのまにか寝ていた事に気付き、ゆっくりと起き上がる。
「おうっ、おはよ」
「あっ、おはよーこーいっちゃん。もしかして、徹夜だったかねい?」
「いや、俺も終わったと同時に寝ちゃってたみたいでね――朝ごはんにフレンチトースト作ってるから、一緒に食べようよ」
「それはそれは、豪勢だねい。それじゃ、シャワー浴びていただこうかねい」
「ごゆっくり。その跡で、調査はどうだったか聞かせてよ」
「――良いわよ。太助の事、お互い無関係とは言えないから」




