表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/402

姉妹みたいな一時を(みなも編 その2)

 所は、みなもの寮の部屋。

「♪」

「あっ、ダメだよ。お風呂沸かさないといけないから、ね?」

「抱っこしてくれなきゃやだ」

「――良い子なのに、こういう時は聞きわけがないんだから。わかったから、ちょっと話して? 苦しいから」

「はーい」

 みなもが食器をシンクに片付け、水につけてる最中に裕香が抱きついて、待ちきれないと言わんばかりにぎゅーっと腕に力を込める。

 みなもは苦笑して、抱っこは流石に無理なので、膝をついて裕香をぎゅっと抱きしめてやると、裕香がみなもに頬擦りをしてくる。

「みなも姉ちゃんのほっぺ、柔らかいね♪」

「裕香ちゃんには負けるよ」

「うん、柔らかほっぺが自慢だもん。アスカ姉ちゃんもひばり姉ちゃんも、褒めてくれる」

「そう……って、やっぱり他にもやってるんれしゅか?」

「――? うん。でも誰でもじゃないよ?」

「――うん、それはわかるよ?」

 実際みなもも、実際甘えられるまで知らなかったし、裕香も普段はそれを全然出していないどころか、寧ろ甘えん坊からはてんで無縁な振る舞いをしている。

 だから、知ってる人間が限られてるのも、無理ないと思っていた。

「……」

「? どうかした?」

「――なんでもないよ。それじゃ、そろそろお風呂の準備しないといけないから」

「はーい」

 ようやく離して貰ったみなもは、一路お風呂場へ。

 風呂掃除をしてから、スイッチ1つで風呂の準備が完了の充実設備の恩恵を受けて、みなもはさっきの続きに。

「裕香ちゃん、お待たせ。さ、抱っこして……」

「あっ、みなも姉ちゃん。着替えの準備しといたよ?」

「あっ、ありがとう」

 出向いたリビングでは、裕香が自分のとみなもの分の寝巻(無論、下着も含めて)を用意している所で、裕香の手には……。

「流石にみなも姉ちゃんの、おっきいね」

「みっ、みちゃらめれしゅ!!

 慌てて裕香の手からひったくった。

「裕香ちゃん、わちゃしの分は用意しなくていいれしゅ!」

「? えっと……ごめんなさい」

「――気を利かせてくれるのは嬉しいれしゅけど、こういうのはその」

「――? よくわかんない」

「――なんだか、変な部分で裕樹先輩との血のつながりを感じましゅ」

「……そうだ、下着で思い出したけど、一緒に買いに行ってくれない? ユウ兄ちゃんに頼んだら、お金だけ渡されてね?」

「……流石にそこまで非常識じゃなかったようれしゅね」



「へっきし!」

「きゃっ! もうっ、汚いじゃない!!」

「ああっ、悪い--また誰かに悪態つかれてんのかね?」

「人気者はつらいね」

「そだね--なあ宇佐美、今度裕香の買い物付き合ってやってくれない?」

「? 良いけど、ユウじゃダメなの?」

「いや、買うの下着だから」

「……なんでこんな事で見直しちゃうかな?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ