お月見の準備
「う~さぎうさぎ~♪」
「ご機嫌だね、裕香ちゃん」
「うん」
所は、光一の寮の部屋。
今日光一は月見団子を、お気に入りだと言うウサギのプリントエプロンを着た、朝霧裕香と一緒に作っていた。
「で、今日はどうしたの?」
「どうしたって?」
「いきなり俺の手伝いがしたいだなんて」
「今日はそういう気分だから。つぐみ姉ちゃんにみなも姉ちゃん、サークルの催しで忙しいって言ってたのもあるけど」
「そう――ひばりは?」
「ユウ兄ちゃんと話があるからって」
と聞いて、ふと光一は以前裕樹と龍星を交え、話した事を思い出す
「――ユウからそう言う話は聞いてはいたけど、裕香ちゃんから見てどうなの? お姉ちゃんを欲しがってるのは知ってるけど」
「日に日に仲良くなってるみたいだから、嬉しいな」
「そうっ――それじゃ、団子はここまでにして、休憩しようか」
「うん」
光一はコーヒーとココアを淹れて、お菓子(自分用)を見つくろって簡易テーブルに置くと、裕香がココアを軽く1口。
「うん、美味しい♪」
「勿論おかわりあるからね」
「ありがと」
裕香はココアが好きで、特に光一の淹れたココアがお気に入り。
光一も、コーヒーが飲めるようになる前はココアを常飲していて、自信はあった。
「それと、これはココア使ったお菓子。裕香ちゃんにあげるつもりだったから丁度よかったよ」
「光一兄ちゃん、ホント色々とやるね。研究職に保安部の協力もしてるのに」
「はっはっはー、凝り性な甘党舐めてくれちゃいけないよ。さて、休憩終わったら団子詰めるからね」
「はーい。ねえ光一兄ちゃん、私の作ったのは幾つかの包みに分けて良いかな?」
「勿論。そう言うと思って、入れ物は多めに用意してあるから、皆に渡してやりな」
「うん。ありがと」




