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禁気の刃使い  作者: 星長晶人
第三章
67/163

三つ巴

クラス対抗戦、調子乗って書きすぎた(笑)


今日で四話書き終える勢いです


ストック溜まったので一気に! といきたいところですが、本日は二話だけです


クラス対抗戦が始まる前にやっと出てくる敵の動きを書く


それを忘れてました


なのでクラス対抗戦が始まる前の二話を更新します

 俺が龍気の形状変化を完成に近付けていると、野次馬は散っていったが、俺がふと周囲を見やると、何やら剣呑な雰囲気が漂う一角があった。


 ……アリエス教師は面白そうだとばかりに傍観に徹している。


 何やら男子と女子で対立しているらしい。……何だろうか?


 俺は怪訝に思って傍観しているアリエス教師の近くにいく。


「ん? ああ、ルクスか。実は今、面白いことになっていてな。何やら私の代表メンバー選考に不満があるらしくてな、男子が文句をつけ始めた。そこに女子が敵対して今の状況にあるという訳だ」


 アリエス教師はニヤリと笑って俺に事情を説明してくれる。……自分に文句をつけているようなもんなのに傍観してるのか。女子と男子で戦うとなったら少し面白そうだからだろうか。


「……へえ」


 俺は生返事をして両者の言い合いに耳を傾ける。


「いい度胸だな! いいぜ、やってやる! 女子の代表メンバー四人と男子の代表外れ四人で勝負だ!」


「いいわよ、やってやろうじゃない! 身の程を知りなさいよ!」


 激昂した女子と男子は互いに額を突き合わせるように睨み合った。……何だよ。じゃあ俺の出番ないじゃん。


「……俺の出番ねえのかよ。じゃあ大人しく観戦してるかな」


 俺はそんな険悪な雰囲気の中に、笑って入っていった。


「「「……」」」


 何故か、めっちゃ睨まれた。


「……ルクス、空気読めない」


 とてとてと俺の方に歩み寄ってきたフィナが言った。……いや、空気読めないって、フィナにだけは言われたくないんだが。


「……空気は読んだって。何か代表メンバーのことで揉めてるみたいだから俺も参加出来るかなぁ、とか思ってたら俺の出番なさそうだし、観戦しようと思っただけだって」


「……抱っこ」


「……。おう」


 俺が言うと、フィナが両手を広げて伸ばしてきた。……ホント、空気読まないというか、マイペースというか。


「……ま、そんな訳だから、頑張れよ」


「……どっちを応援すんだよ?」


「……そうよ。もちろん女子の方よね?」


 俺がある程度距離のある位置で胡坐をかいて座り、フィナに前を向かせ抱えて言うと、男子と女子が俺はどっちの味方なんだと聞いてくる。……どっちって言われてもな。


「……まあ、知り合いの方じゃねえか?」


 俺は曖昧に答えることにする。……だって誰が出るか分からないし、下手なことは言えない。


「……ヘタレ野郎が」


「……優柔不断ね」


 何故か双方から睨まれる結果となってしまった。


「……ヘタレルクス」


 何故か飛び火でフィナまで俺を責めるような口調だ。……おい。嫌な便乗のし方するなよ。


「……ホント、ヘタレよね」


「……ヘタレ王でも名乗れるんじゃない?」


「……ヘタレ王子」


 続いてアイリア、リーフィス、レイスからも同じようなことを言われた。……何だこれ。何で俺が責められるような空気になってんの?


「……お前ら、そんなこと言うなら男子に味方するからな? 寧ろ俺が加わって五人対戦にするぞ?」


 俺はムスッとしたような口調にして、ジロリと睨む。


「……ダメよ。大人しく観戦してなさい」


 リーフィスが俺の左隣に座って言う。……何でこの両者を真ん中から見れる位置で座るんだ? 折角なんだから女子側で観戦すればいいんじゃないだろうか。


「……あら。あなたは女子側で応援するんじゃないの?」


 そう言いながら、リリアナも俺の隣――リーフィスとは反対の右隣に座る。


「……あなたこそ、女子側で応援しなさいよ」


 リーフィスはイラッときたようで、ピクリと眉を動かす。


「……俺の挟んで口論とか、止めてくれよ」


 俺は口論になる前に言った。……挟まれて、とか止めて欲しい。俺のいない場所でやってくれればいいのに。


「別に私は口論する気、ないわよ? そっちの我が儘お嬢様が『ルクスの隣は私の物なんだからっ!』って言ってるだけで」


 リリアナはさらにリーフィスを煽るようなことを言う。


「……誰がよ」


 案の定、リーフィスは絶対零度の視線をリリアナに向ける。……うわっ。左側が寒いっ。右側は何かチクチク痛いし。毒だろうか。


「……二人共止めてくれって。俺を殺す気か」


 俺は活気をボソリと呟いて発動しながら言った。……ホントに勘弁してくれ。かなり厳しいんだからな?


「……分かったわよ。でも、そこの毒蜘蛛が言ってることは出鱈目だから、本気にしないでよ?」


 リーフィスは冷気を収めると、そっぽを向いて言った。……そんなこと思ってないから安心しろ。って言ったら何か不機嫌になりそうな予感がある。俺の野生の本能がそう告げている。じゃあ何を言えばいいのか。


「……ああ、分かってる。リーフィスのことだからな」


 俺は無難そうな言葉を選んだ。……これで合ってるのかは分からないが。


「……そ、そう。ならいいわ」


 何故かリーフィスは頬を赤くして言った。……? まあ本人がいいって言ってるならいいか。


「……随分と、仲がいいのね」


 するとリリアナが俺の腕に抱き着いてきた。……ちょっ。


 必然的に柔らかな二つの膨らみが二の腕に当たるので、俺としては離れて欲しかった。


「……そっちこそ」


 リーフィスはさすがに抱き着いてきたりはしなかったが、そっと俺と触れるか触れないかぐらいまで近付いてきた。……負けず嫌いなんだったか。


「……うーっ」


 そんな感じで二人の相手をしていると、抱えているフィナが不満そうに唸ったので頭を撫でたりして宥めていると。


「「「……」」」


 クラス全員からジト目を向けられるという状況に陥っていた。

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