麗香の告白
「私……実は……」
心臓が早鐘のように激しく脈打つ。今までにないことだ。上がり症な私が告白するなんて、考えたこともなかったし。好きになるなんて、思ってもみなかったし。私に告白してくれた人も、私と同じ思いをしていたのだろうか。
「その……」
一夜は口を挟まずに、静観している。早く言わなきゃ。
恥ずかしすぎて目が回りそうになる。
でも、顔を上げて、言わなきゃ。下を向いていたら、始まらない。
「一夜のことが……」
ここまで出かかっているのに、どうしてもこの先を言えない。
一夜なら私が次に言おうとしていることがわかると思う。でも、言わないと成長したことにはならない。出て……。出て。絞り出せ、心の言の葉を。
言葉で伝えたいの。私にほんの少しの勇気を。一歩を踏み出す力を。
「……す、好き…………です」
すっごく小さな声で、告白した。そしたら一夜はプッと笑って、爽やかな笑顔になった。美辞麗句で、私の勇気を褒め称えた。
「麗香……。恥ずかしがり屋で意地っ張りだったのに、よく頑張ったね。ずっと、僕のことを考えてくれていたのかな。嬉しいな。僕は君のそんなところが好きだよ。ネガティブだけどポジティブで、乱暴だけど優しくて、可愛いけど色気があって、素直だけど素直じゃないところがいい。君の勇気に感謝する」
「うう……」
恥ずかしげもなくつらつらと私の好きなところを並べ立てる。一枚も二枚も上手だ。これが、大人と子供の違いなのだろうか。
私にもその余裕があればいいのに。そしたら、一夜を辱めることができたかも。
「僕のこと、いつから好きになった?」
「自覚したのは、ついさっき……。多分だけど、最初から好き……だったのかも」
口を尖らせて、白状した。
「そっか」
一夜は子供みたいに、ニパッと明るい笑顔を作った。
「僕は今年で二十八になる。麗香は今年十四か。十四歳差だ」
「手を出したら犯罪……」
真剣な表情に戻って、一夜は顎に手を当てた。
「教え子だったからな。後二年……」
「なにが?」




