表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
にゅにゅにゅ  作者: 社容尊悟
零 零から始まる呪術入門
7/80

翻弄される麗香

 ――呪いはいつの時代も、キスで解けるものなの。だからご褒美に一発。ダメ?

「ダメッ!」

 ――麗香。

 ドキッとした。急に名前呼びになったから。

「な、なに」

 ――これから一つ屋根の下で暮らしましょう。大丈夫。なにもしないから。

「安心できない!」

 ――そろそろ、本当に嫌われてしまうわよ?

「あ……」

 みんなの視線が痛い。傍目はためには独り言を呟いているからか。

 兎の子は私の膝の上から飛び立って、窓から去っていく。

 ――では、またね。

「……う、うん……」

 私はとりあえず手を振った。でも苦手だ……。

 あれが男の人だったと考えると……、どうも気持ち悪い。受け入れられない。

 あんなに可愛らしい兎の女の子に見えるのに、元は男性? 元の顔も結構中性的だったりして……。それならあの顔も納得。カッコよかったら、それはそれでムカつく……。

 ひとまず一件落着……ということにしておこう。まだ虫唾が走っているけど。


 その日の保健体育の授業は、ちょっと具合が悪くなって保健室に行った。


 放課後に友達の廸と一緒に帰ろうとしていたら、クラスの男子に待ち伏せされていた。

 何故筧が私の下駄箱の前で。そんな鬼みたいに怒っているような顔で。

「……なあ、お前さ」

「な、なに……。私、みちと帰ろうと思ってるんだけど……」

「いいよ、麗香。また明日ね!」

 廸は私の背中を押して、さっさと靴を履き替えて帰ってしまった。これは、気の利く友人というやつなのだろうか。ナゼにこんな状況で告白されると思ったのだろう。

 どう考えても果たし状を送ろうとしているとしか……。決闘でも申し込まれるのでは。

 かけいは廸が去っていったのを確認すると、私に言い放った。

「霊感あるんだろ?」

「……」

 私は動揺する。嘘はつけない体質だ。髪の毛を触ったりスカートの裾を引っ張ったりしてしまう。多分これは無意識にやっているクセだと思うけど……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ