ネタばらし
「でもでも、あの時は呪いにかかっていたとはいえ……凄く怖かったんだよ」
「あれは演技で……。俺、本当は好きな子には手を出せないヘタレなんだ」
「筧っちは演技派なんだよね~」
「ああ……。将来、俳優になりたいと思ってる。ごめんな、怖い思いさせて。でも好きなのは本当だから。霊感もあるし……。その、よかったら、また考えてくれると」
いやいや。ネタばらしされても、好きになれませんから。
「ということは、みんな演技してたの?」
「迫真の演技だったでしょ? みんなで麗香を驚かそうって話してたんだ」
廸が悪戯っぽく笑う。みんな、根性ひん曲がっている。
「小さくて可愛い麗香ちゃんがアワアワするのを見て、楽しんでたんだよ」
「性格悪いよ!」
――麗香は第二種愛玩動物に指定されているわ。
「されてないし!」
――僕が指定したに決まっているじゃない。
さっき、受け身で言ったじゃない。「されている」って。引っかけ問題か!
「私は麗香ちゃんのことはお友達として好きだよ。癒されたい!」
「あ、ありがと……」
――ひとまず同性愛は回避できたわ……。
私もいやだから。ほっとしているのは一夜だけじゃないから。
「カズちゃんはどうして麗香ちゃんのことを? まさか……アレな人?」
――アレな人ってなによ。はっきり言いなさい。
「……言えないかな~……。言ったら犯罪臭がしてくるし、やめとこ!」
静谷さん……じゃない。ここなちゃんは含み笑いして、もったいぶって言うのをやめた。とんでもない策士だ。言うつもりがないのなら、最初からそうしてよ。気になって夜も眠れなくなっちゃうよ。
「ボクは麗香様に惚れているというより、お慕いしている感じだね」
浅川はヘッと鼻で笑った。浅川は……えっと、やっくんだっけ……。
「ボクは弟子だからね。師匠を愛する心は持っているんだ」
どんと胸を叩いて、身体を反る。軍人さんみたい。
犬みたいになったり軍人さんみたいになったりと、忙しい人だ。
――ということは、ライバルは大分減ったわね。
「あたしだけかー」
――君はもう振られたじゃない。筧だけよ。
「ちょっと。さっきまで恋のライバルって認めてくれてたじゃん!」




