表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
にゅにゅにゅ  作者: 社容尊悟
零 零から始まる呪術入門
6/80

衝撃の事実

 ――懐かしいわ。男だった頃が蘇ってくるようで……。

「おおお男ぉ!?」

 私が叫んだ瞬間、兎の子は顔を近付けて私の唇を塞いだ。

 甘美で、私の全てを支配して包み込むようなキス。しかもやたらと長い。

 なんで……こんな小さいのに、キスがうまいの……?

 生気を吸い取られたみたい……。くらっとしてきた。

 ――僕、こんな姿でこんな喋り方になってしまったけど、元は男で二十代後半なのよ。三大欲求は性欲が九割を占めているに決まっているじゃない。これは呪いだから、オカマとか言わないで欲しいわね。それにしても、君の胸、小さいのに柔らかいわね。ちょっと、脱いでみてくれない? 下着はどんな下着? ああ、僕はブラジャーの方を訊いているのよ。

 兎の子の顔を私はポカポカと殴った。兎の子は顔を押さえた。

「……ちちち……痴漢! 変態! バカッ! 女の子だと思ってた私がバカだった!」

 ――誰も女の子だなんて言ってないわよ。

 私の身体を存分に弄ぶ。今度は制服の下に手を入れてきた。私は兎の子の手をはたく。

「あーもう触るなっ! えっち!」

 私が怒っても、兎の子は冷静さを保ったまま。

 ――だって、君可愛いし、エロいから。

「……う……」

 私が言葉に詰まると、むぎゅーと抱きついてきて、私の身体に頬をすりすりさせる。

 どうあがいたって、敵いっこない……。元男性の欲情に中学生は勝てない……。

「も、もういい……。……と、ところで呪いはどうなったの……?」

 ――観念してくれてありがとう。周りを見て。

 私が周りを見渡していると、ここぞとばかりに兎の子が私の太腿を触り出す。手付きがいやらしい。慣れている感じで、物凄くいや……。ぞくっと怖気が走った。もうやめてー!

「もう! さっきから! 私が真面目に話してるのに!」

 みんなに白い目で見られるのも構わず、私は兎の子に怒鳴った。

 ――ごめんなさい。君を見ていると、どうしても抑えられなくて……。その、脅えた表情が凄くそそるから……。困った顔を見ていたら、いじめたくなってしまって。あの夜、本当は襲いたかったけど、我慢していたのよ?

 そんな言い訳は聞いていない。

「中学生に手を出したら、犯罪なんだから」

 私はぶすっとすねて、兎の子のほっぺたをぎゅっとつまんだ。

 ――でも。みんなはもう怒っていないでしょう?

「それはそう……だけど……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ