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にゅにゅにゅ  作者: 社容尊悟
二 麗しい香り

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にゅにゅにゅの弟子




 一夜に気にしなくていいと言われたものの、その日はため息ばかりついた。

 なにをしていても上の空で、いつもよりも授業の話が頭に入ってこない。

 恋をするって、どういうことなのだろう。私も誰かに恋をすれば、廸の気持ちがわかるようになるかな。

 そういえば、筧はどうしているのかな……? 廸が話に出していた割には、話しかけてこないけど。飽きられたかも。

 多分、本気の恋なんて、今の私たちの歳じゃできないんだよ。

 みんな、恋に恋しているだけで、中学の頃の彼氏彼女が結婚相手とか、滅多にないでしょ。だから、一生ものの恋愛じゃなくて、青春なんだよね。

 私も部活に入って、青春しようかなあ……。

 窓の外に視線をやってボーっとしていると、一夜が私の顔に貼り付いた。

「ひゃわ」

 ――しっ。静かにしていなさい。

 変な声出しちゃったじゃない……。いつもいきなりなんだよね。

 ――呪術師の気配がするわ。

 こないだ会ったでしょう。静谷さんのことじゃないの?

 ――今まで会った呪術師とは違う……。この気配……。

 まさか、にゅにゅにゅ?

 ――にゅにゅにゅの弟子ね……。

 弟子がいるのか、そうですか。またしても初耳。一夜って、その時にならないと教えてくれないよね。そういうところ、不親切というか……。なにか、不都合でも?

 ――とにかく、今は息を殺すのよ。君に気付いたら、僕が時間停止させるから。気付かれなかったら、なにもしない。いいわね?

 一夜の念押し。正味、言わない方が起こる確率が減るよね……。

 嘘から出たまこととか、言わぬが仏みたいな、そういうタイプの。言わぬが仏って、言わなきゃいいことって意味でしょ? ありゃ? どっちだっけ。ド忘れしたかも。

 そんなことはどうでもいいんだった……。

 一夜の悪い予感が的中し、にゅにゅにゅの弟子が現れた。ほら、言わんこっちゃない……。言わなければ起きないかもしれないのに。

 にゅにゅにゅの弟子は男子だった。筧の友達の浅川あさかわ。思わぬところで繋がっているというか、この学校の生徒はにゅにゅにゅの配下だったりして……。

 いやいや、そんなことを考えるのはよくない。

 空気が変わり、一夜が時間を止める呪術を使う。それよりも速く、にゅにゅにゅの弟子が呪文を呟いて時間を止めた。ニヤリと口元に笑みを刻んでいる。

 ――僕より……速い……? そんな、まさか。

 どれだけ自信があったの。一夜の額から冷や汗が流れ出す。

 ――僕はあれからどれだけ修行したと……。いいわ……。認めましょう。君は僕よりも強い。それだけは認めてあげるわ。

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