恋愛なんてわからない
――友情というものはね、恋がきっかけで崩れるものなのよ。恋ってそれくらい、人を盲目にさせるの。バカにさせるの。僕も例外じゃないのよ。君が愛しくて、どうしようもない。君を他の男に奪われると思うと、どうしようもなく、心が乱れる。
一夜は切ない声で、私の頭を優しく撫でた。
こんなに想われているのに、私は一夜になにも応えていない。それでもずっと想い続けてくれていて、私を助けてくれる。いつでも私の味方になってくれている。
好きだから? 人を好きになるって、そんなに尊いものなの?
――僕は、君が好きで、好きでたまらないよ。
一夜は何度も私のことを好きと言う。いつだって真剣で、いつだって心がこもっている。何度も言うのに、陳腐だと思わない。今世紀最大の愛の告白なのだと。
私のことが本当に好きなのだと、そう感じる。
でも私は……、誰も好きになれないから。恋愛というものが、どういうものなのかわからないから、なにも答えられない。
いつも振り回してばかりで、迷惑かけてばかり。
ほんと、バカだよね……。
――どうしたの、麗香。
「え? ……あ」
涙がこぼれていた。まただ。足が早くなってみんなに絶賛された時も、今みたいに涙が溢れ出てきた。
私って、泣き虫だったんだ……。
――なにを考えていたの?
言えない。一夜のことを考えていたなんて。言ったら、後悔する。
涙を袖で拭って、なんでもないふりをする。
「心配しないで……。大丈夫だから」
一夜はなにかを察したような雰囲気を醸し出していた。




