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にゅにゅにゅ  作者: 社容尊悟
二 麗しい香り
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一夜はボディガード?

 一夜は教師だっただけあって、話し出すと止まらない。本当に、人に教えるのが大好きなのだろう。私は説明するのとか苦手だから、教師になりたいとは思わないけど。

 でも、人に教えられるのって、カッコいいよね。

 私もいつか、色々な人に憧れられる、素敵なキャリアウーマンになれるかなあ。

 そうして、道すがら私は夢を抱く。叶えたい夢が一つできた。

 道端に転がっている石ころを蹴って、学校まで行った。これも特訓。途中に廸には会わなかった。一夜は会わなくて正解だったと言っていたけど。

 会いたいわけじゃない。

 でも、昨日のあれはやりすぎたかなと、ちょっと後悔している。だから、ちゃんと向き合って、二人で話をしたいの。一夜はいやでもついてくるから、二人とは言えないか……。

 ――僕について来て欲しくないの?

「そりゃ……まあ……」

 ――僕は君のボディガードなのよ。

 見えないボディガードって、凄くない? 無敵だよね。

 ――君が変な人に好かれないか、見張っておかないといけない。僕の目が黒いうちは、変な虫は寄りつかせないわ。全て叩き落としてやる。

 蠅ですか。

 ――とにかく、君がいやだと言ったところで、僕は監視しておくからね。昨日みたいに呪術師がいきなり目を付けてきたらどうするの。今の君では太刀打ちできないでしょう? 僕がいないと、君はなにもできないじゃないの。

 その言い方、ムカつく。

「そんなことないもん。別に一夜がいなくったって……。私一人でどうにかできるし。大丈夫だもん」

 ムキになって、余計なことを言ってしまった……。

 ――あら、そう。いいのね。じゃあ、今日一日……僕は君のベッドで妄想しているわよ。おやすみ、麗香。

「やめれぃ!」

 一夜の頭を掴んだ。

 その後、他の人に言い訳するのが、凄く大変だった。想像を絶する視線の痛さ。

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