心が読める?
――様子見ね。でも……何故この時に術を使ったのかが、気になるわね。唐突すぎないかしら? 麗香と話すチャンスだとしても……。
まるで……私が走って欲しくないみたいに。
――彼女、結構強いわよ。だから、気を付けなさいね。
「うん……」
「どうしたの、そんな暗い顔して。大丈夫だよ。私は閑ちゃんと仲良くなりたいだけだから。タイミング悪くてごめんね。今、術解くから」
「ありがとう」
私の心が読めているような発言に、恐れを抱く。
一夜が呪術師で、静谷さんも呪術師。呪術師は人の心を察する能力でも持っているのだろうか。だとしたら、納得がいくけど……。そもそも、私の能力って何? 呪術師が欲しがるような能力なんでしょう? 霊体が見えるっていう能力なら、別に欲しがるほどのものでもないと思うけど。
一夜には私のこと、あまり教えてもらっていなかったな。
静谷さんはさっきと逆の動作をした。現代の呪術師が使う呪術は、真逆の動作をすることで始動・解除させるのか。ようやく呪術について理解が追いついてきた気がする……。
呪術ってもっと怖いものかと思っていたけど、本で読んだことあるような力なんだ。現代の呪術って変わってるなあ。
空気が元に戻り、止まっていた時も動き出した。
「静谷、閑! 次、お前たち! さっさと準備しろお!」
ちょっと怒っている先生が私たちに大声で呼びかける。私と静谷さんは走っていった。
――今までの君だったら、走る前から走るのは無駄って言いそうだけど……。
ややこしい言い方はしないで欲しい。なぞなぞみたいになっている。
並走する静谷さんが話しかけてくる。
「閑ちゃん、手を」
「なんで手?」
「そしたら見えるようになるかもじゃない?」
静谷さんはニコッと笑った。
試しに手を握ってみるか、一夜に視線で訊いてみた。
――やめておきなさい。関係ない人間とは言えないけど、面倒なことになるわ。
ということで、私は断った。すると、静谷さんはしょんぼりして、手を繋ぐのは断念したみたい。そんなに私と手を繋ぎたいのか……。




