表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
にゅにゅにゅ  作者: 社容尊悟
一 一つの夜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/80

ぶつかり合えば答えは見えてくる




 私は放課後、廸を体育館裏に呼び出した。部活中の生徒の声が聞こえる。

 一夜が見守ってくれている。勇気を振り絞って、問い質す。

「ねえ、廸」

「うん。なに」

「どうして私に性別のこと、話したの? あのタイミングで」

「ああ……。ちょっと間が悪かったかな?」

「ていうか、おかしいと思う。なんで先生たち、廸に何も言わないの? なにも説明してくれなかったし、今まで気付かなかったし……」

「それは、あたしがアレだから」

 頬をかいて、廸は苦笑した。

「あれって……?」

「聞いたことない? 性同一性なんとかってやつ。あたし、それなんだよ。だから……女になりたいと思った。同様に、男になりたいと思ってる女もいるわけ」

 聞き覚えなら、少しはある。でも私には理解できない。女の子に生まれてよかったと思うから。だって、男の子だったら色々できないと余計に恥ずかしいし。

 廸は声色に憧れを滲ませて、とつとつと話す。

「女の子が好きなものが好きでね。ぬいぐるみとか小物とか……おしゃれとか。服も女物の方が好き。女の子同士で抱き合ってるのもいいなと思ってた。だから、学校には特別に許してもらってる。そういう受け入れをしてくれるところなんだよ、ここは」

 感謝している、と廸は言った。

 そういう人もいるのか……というのが私の素直な感想。

「麗香は、あたしが嫌いになった? あたしが麗香のことが大好きで抱き付いてるのを、気持ち悪く思った?」

「正直に言えば……」

 こくりと頷いた。

「でも嫌いになったわけじゃないよ」

 目を見て、確と伝える。ぎゅと拳を握って、廸に宣言する。

「廸のことは好き。私を性的な目でしか見ていない誰かさんよりもずっと。ただ、怒りがないと言えば嘘になる」

 ――誰かさんって、一体誰のことかしらね。

「今までずっと黙っていたのもそう。突然言い出したのもそう。私、そんなに心広くないから、凄く怒ったよ。廸は悪い子だよね」

 ぶうと頬を膨らませて、怒りを露わにした。

「ぷ……」

「あ! 今笑った!」

「麗香はホント、可愛いよね……」

 廸が男みたいな微笑を浮かべて、ちょっとドキッとした。悪い意味で。

「ちっさい子と話してるみたい。天然というか、おばかというか」

「もー! 自分が成績いいからって、バカはないでしょ、バカは! 誰かさんにいっぱい言われて、もう聞き飽きたんだから!」

 ――耳が痛いわね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ