暴かれた廸(みち)の秘密
委員会が終わって、廸が教室に戻ってきた頃には、もうすぐ授業が始まる時間だった。
私は廸が終わるまで待っていたから、昼ご飯を食いっぱぐれてしまった。
おかげで、お腹ぺこぺこ。……待っていた私が悪いんだけどね。
廸は私の机の前に来て、手を合わせて謝った。
「ごめん、麗香。ちょっと揉めちゃってさ」
「そうなんだ。廸でも揉めることあるんだね」
「怒ってる?」
「ううん。だって、大変だったんでしょ?」
「うん、そうだけど……。でも、麗香はいつも待っててくれるじゃん、あたしのこと」
「私委員会入ってないし、廸一人でご飯食べるの、いやでしょ?」
――僕にもそのぐらい優しくして欲しいわね。
「ありがと、麗香。結婚して!」
私の顔をぎゅっと胸に抱き締める。なんだか異様に硬いような。まるでまな板の上に寝ているみたいな硬さ。カチカチ。……廸の冗談は、時折本気に聞こえてしまう時がある。
でも何だか、心地いいから、いいや。女同士の友情だよね。
「女同士では結婚できないよー」
私が苦笑いして言った後、廸はキョトンと首を傾げた。
「ん? あたしがいつ女だって言った?」
「え」
制服も女子、見た目も女子、声も女子、喋り方も女子……だよね?
あれ、おかしいな……。聞き間違いだったかな?
――麗香。残念ね、そのお友達……。僕には見えているわよ。
一夜が鞄の中からにょきっと現れる。真剣な目で廸を見つめている。それから、ある一点を眺めた。何故そんなところを……。




