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にゅにゅにゅ  作者: 社容尊悟
一 一つの夜

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28/80

暴かれた廸(みち)の秘密




 委員会が終わって、廸が教室に戻ってきた頃には、もうすぐ授業が始まる時間だった。

 私は廸が終わるまで待っていたから、昼ご飯を食いっぱぐれてしまった。

 おかげで、お腹ぺこぺこ。……待っていた私が悪いんだけどね。

 廸は私の机の前に来て、手を合わせて謝った。

「ごめん、麗香。ちょっと揉めちゃってさ」

「そうなんだ。廸でも揉めることあるんだね」

「怒ってる?」

「ううん。だって、大変だったんでしょ?」

「うん、そうだけど……。でも、麗香はいつも待っててくれるじゃん、あたしのこと」

「私委員会入ってないし、廸一人でご飯食べるの、いやでしょ?」

 ――僕にもそのぐらい優しくして欲しいわね。

「ありがと、麗香。結婚して!」

 私の顔をぎゅっと胸に抱き締める。なんだか異様に硬いような。まるでまな板の上に寝ているみたいな硬さ。カチカチ。……廸の冗談は、時折本気に聞こえてしまう時がある。

 でも何だか、心地いいから、いいや。女同士の友情だよね。

「女同士では結婚できないよー」

 私が苦笑いして言った後、廸はキョトンと首を傾げた。

「ん? あたしがいつ女だって言った?」

「え」

 制服も女子、見た目も女子、声も女子、喋り方も女子……だよね?

 あれ、おかしいな……。聞き間違いだったかな?

 ――麗香。残念ね、そのお友達……。僕には見えているわよ。

 一夜が鞄の中からにょきっと現れる。真剣な目で廸を見つめている。それから、ある一点を眺めた。何故そんなところを……。

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