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にゅにゅにゅ  作者: 社容尊悟
一 一つの夜
20/80

見透かされている?

 そんなに見つめなくてもいいのに……。紳士なら、気にしないふりをして、なにか羽織るものをかけてくれるはずなのに! あからさまにいやらしい顔をしなくてもいいのに……。

 ――由々しき事態よね。危機感がまるでないわ。襲ってくれと言っているようなものよ。もしかして、君変態さんだったのかしら? 僕と同類?

「自覚あるんかいっ」

 私は急いで棚から服を出して、着た。

「私は君みたいに変態じゃないもん。君が来るって知ってたら、ちゃんと服着てたし……。第一シャワー浴びた後なんだから、下着姿になっててもおかしくなんかないよ」

 後一時間後には学校に行っている。一夜は学校に着いてくるけれど。

 ――どうだか……。

「何、その含みのある言い方……」

 ムッとして刺々しい語調になる。一夜はいっつも思わせぶりな言動を取るから、私は内心ひやひやしている。もし、私が自覚なしに一夜に下着姿を見て欲しいなんて思っていたら、それこそ自己嫌悪だよ。気持ち悪すぎるよ。

 そんなこと、絶対にあっちゃいけない。

 ――麗香は僕のこと、名前で呼ばないわよね。それって、照れ隠しのつもりなの?

 心中では名前で呼びまくっていますが。

「だって。呼んだら調子に乗りそうだし。なんか、やなの」

 ――ほほう……。

 またこの顔だ。なにかを企んでいて、含みのある顔。十以上も歳が離れているから、思春期の女の子の感情は見透かしているということだろうか。大人の貫録ってやつ?

 そういう態度は気に入らないけど、あまり見透かされたくはない。私の心は私だけのもので、誰にも入ってこられたくはないから。

 私を助けてくれている一夜には尚更。入ってきて欲しくはない。




 学校に行く道でみちに会って、一緒に登校する。

「そういえばさ、麗香ってかけいに告白されたんだよね? 今、付き合ってるの?」

 答えにくい質問を、軽い口調でされて、気まずくなる。何故今になって訊くのだろうか。

「え……。う、うん……多分。でも付き合ってない」

「多分ってなに」

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