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お願いだから、俺のお小遣い少し上げてくれないかな?

作者: 七瀬







“お願いだから、俺のお小遣い少し上げてくれないかな?”



俺は勇気を振り絞り、思いきって嫁に頼んだ!

でも? 嫁の答えは冷めたモノだったんだ。




『この不景気な時に、アンタのお小遣いを増やせる訳ないでしょ!

今はいろんなモノが値上げして、食費も今でもギリギリなのよ!

お小遣いを上げてほしいと言う前に、私に少しでも感謝の言葉を

言ってほしいものだわ!』

『・・・そ、それは、いつも俺はキミに感謝もしてるよ! だけどさ、

俺の今のお小遣いじゃ、何も買えないし! やっていけないんだよ!』

『“お小遣いを上げたら? 何に使いたいの?”』

『“職場の奴らとの飲み会!”』

『バカじゃないの! アンタの贅沢するためのお金なんてないわよ!

家で一番安いビールでも飲んでたら?』

『激安スーパーのどこの国のか分からん! 安いビールで88円のだろう!

あんなのビールじゃないし! 美味くないんだよ!』

『何、贅沢なこと言ってんのよ! 飲めるだけマシでしょ!』

『みんなでワイワイとお酒を飲みたいだけなのに、、、。』

『“それがワガママって言うの! 取りあえずお小遣いの件は、却下!”』

『・・・そ、そんな、頼むよ、少しでいいんだ、』

『懲りないわね! しょうがない、少しだけよ!』

『“あ、ありがとう!”』

『・・・・・・』







・・・待ちに待った、今月が少し上がった俺のお小遣い!

でも? 嫁から手渡された俺のお小遣いは?

“たったの10010円だった。”



そう! 嫁は俺のお小遣いを“10円”しか上げてくれていなかった。

その事を言おうと嫁の前までくると? 嫁が先に俺にこう言った。




『不満なら? その10円返して!』

『えぇ!? ダメだよ!』

『ウチは本当にお金がないのよ! だから、我慢してよ。』

『・・・あぁ、ううん、』





完全に俺は嫁の言いなり!

俺が稼ぐお金が少ないから、俺のお小遣いも多くあげれないという嫁に

俺は一言も言い返せなかった。

確かに、俺の給料が安いのは本当だし。

生活も正直苦しい!

それならと? 俺は副業を探そうとしたが、うちの会社は“副業”をする

事が禁止になっている会社だと後で気づく。




・・・でも? 見つからないようにすればいいのではないのか?

俺はコソコソと会社にも嫁にもバレない副業を探し始めた。

そして俺はその副業に辿り着く。

“自然会合”をメインにする仕事と書かれていた。

俺はその会社に面接に今日、来ていたのだ!




『スミマセン、今日! 面接に来た、片岡と言います。』

『あぁ、昨日電話してきた人?』

『はい!』

『じゃあー取り合えず中に入ってくれる?』

『あぁ、はい。』




如何にも怪しそうな店。

それでも俺は自分のお小遣いの為に頑張ろうと決めていた!



『仕事内容は、素っ裸でこの店の中で自由にしてもらう事だけ!

まあ、勿論! いろんな人達に君の裸を見られるけど大丈夫?』

『別にそんなの気にしません!』

『でもね、このお店の中なら好き勝手にしてもらっていいから、冷蔵庫の

モノやなんなら寝ててもいいし! タバコもお酒もあるのよ!』

『要は? 好きにしてていいという事ですよね?』

『えぇ、』

『簡単じゃん!』

『ただ、ガラス越しに人に見られているだけよ、気にしなければ

楽な仕事でしょ!』

『はい! “俺、やります!”』

『“じゃあー合格! 明日から、入れる?”』

『はい!』

『じゃあー頑張ってね! 期待してるわよ!』

『はい。』






・・・要は? 動物園の逆バージョンで、しかもガラス越しに素っ裸

で自由にしているところをお客が見ているだけのお店。

“何が楽しいのか? そんなのが今は流行ってんのかねぇ~”

まあ、俺は自由にしてていいと言われているし、裸以外は何の問題もないと

俺は思っていたのだが、ここで働いて1週間で俺は本職の仕事をクビになる!




『お前な、“あれだけ副業はするなと言ってあっただろう!”』

『スミマセン!』

『しかも? 素っ裸で何やってんだよ!』

『・・・・・・』

『SNSでお前、有名人にでもなろうと思ってたのか?』

『・・・そ、そんな事は、』

『“奥さんが見たら? 何て言うか?”』

『・・・あぁ、』


 






 *





数日後、嫁にもバレたけど? 嫁は俺を見て笑ってただけ!

呆れて何も言えないってさ。

でも? これで俺は副業が本職になり、今よりもお小遣いがかなり増えた!

なんだか? “俺にはこの仕事が合っているらしい。”


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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