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えぴろーぐ

 その数週間後、王城で開催されたパーティーのハイライト。国中の有力貴族が集まったこの場で殿下は高らかに宣言する。


「今日は皆さんに重要なご報告があります。――今、ここに、私・ジャックリフト第一王子とハンブルク侯爵家第1令嬢・リモナ=ハンブルクとの婚約破棄をします。実はこの数年間、ずっとリモナ嬢とは折り合いが悪かったのです」


 凛とした声で宣言する殿下の言葉に貴族たちはどよめきだす。お姉ちゃんやハンブルク家に対する悪口をここぞとばかりに口にする者、新たな王太子の婚約相手に自分が選ばれるのではないか、と色めきだつ年頃の貴族令嬢。でも、そんな貴族たちのどよめきは次第に困惑に変わる。なぜなら、たった今婚約破棄したばかりのわたし(リモナ)と王太子殿下は仲睦まじく手をつなぎ、お互いのことを見つめ合っていたから。そして。


 殿下は私の偽りの金髪を勢いよく脱ぎ去りる。リモナお姉ちゃんからヘンリエッタと戻る私。それを確認してから、殿下は再び声を張り上げる。


「続けて宣言します。私は今日、この瞬間からハンブルク侯爵家第2令嬢・ヘンリエッタ=ハンブルク嬢との婚約を宣言します」


 予想外の展開に当然、王国の貴族達は困惑の色を濃くする。


「どうなってるんだ、一体」

「ヘンリエッタ嬢は3年前に死んだって話じゃなかったか? 」

「何が起きてるのかよくわからないな」


 私達の唐突な婚約宣言には当たり前だけど最初、否定的な意見が多そうだった。でも。


「細かいことは別にいいんじゃない? だって当人達があんなに幸せそうなんだもの。一国のトップが幸せそうなら、きっとうまくいくって」


 その言葉にわたしははっとする。


 ――今の声は、お姉ちゃん? 


 そう思って会場を見回すけれど、当たり前だけれどお姉ちゃんの姿はない。


 でも、確かにその言葉はその場にいた全員に聞こえたようで、次の瞬間、空気は180度変化した。


「そうだな」

「今の時代、好きな人同士で付き合うのが一番」

「あのお転婆娘を選ぶとは、こりゃあ尻に敷かれる未来が視えるな。せいぜい頑張れよ、未来の国王陛下」

「あの2人がトップなら確かに、俺達を幸せにしてくれるかもな」


 そんな温かい言葉に会場が包まれ、続いて誰からともなく拍手が起こる。そんな風に全員から祝福されて、私は嬉しすぎて涙が出そうになる。


 潤んだ目でもう一度会場を見回すと、隅で控えていたルナと目が合ってウインクしてきた。考えると専属メイドのルナにはいろいろと迷惑を掛けちゃったな。でも、もう安心してね。私、もうこんなに幸せになったから。そして。


 私は再び殿下と見つめ合い、それから軽い口づけを交わす。これからもっともっと私達は幸せになって、この幸せをみんなにもお裾分けしてあげなくちゃ、ね。

 

 と、いうことで短編でしたが私なりの異世界異性間ラブコメが書きあがりました、と言うことで。

 思ったより全然評価も伸びませんでしたが、これも1つの経験値なのかなぁ、と思います。ここまでお読みいただいた方々には感謝しかありません。それでは。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おお、カタルシス [気になる点] 読んで良かったです。ありがとうございます。 [一言] 評価が伸びないのはマーケティング事情(主にタイトル)。内容は良いです。
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