魔法少女、その名はプリティーオーク
冒険者たちの間である噂があった。
数百のオークを殲滅した辺境最優秀冒険者ですら倒せなかったと叫ぶ一匹のオークがいると。
酒場で偶々その吟遊詩人の言葉を聞いていた。
中堅中でも上位に位置するクラスの冒険者自分が名を上げるにはちょうど良い相手と感じた。
「オークスレイヤーですら倒せなかったオークね。
この俺様が倒せば辺境最優秀冒険者に成れるってか?
なら倒さねえ手はないよな。」
この男はこの後知る由もなかった。
最恐のオークが居たことを。
「ここがオークの里か。
しかしなんだこのオークどもは前回参加したオークキング討伐時の護衛たちよりも強い連中ばっかりだぞ。」
本来雑魚であるオークは上位種の出現によって強化されることは暫しあったがここにいるオークたちはその非では無かった。
何よりも生存競争を賭けた種族が生きるか死ぬかのレベルの大戦争にでも着ているくらいの血走った目でこちらに攻撃を仕掛けていた。
中堅冒険者も毒を持って動きを鈍らせることには成功しているが殺害までは至っていない。
殺害している暇があるなら襲い来るオークに攻撃を仕掛けなければならないくらいに怒涛の攻撃が来る。
「此奴らの親玉はオークじゃねえのか?」
統率者がオークでは無いのなら納得できた。
絶対的強者による統率で負けたら死ぬしかない戦いを強いられているのなら頷けた。
しかし吟遊詩人は言っていた。
紛れもない一匹のオークだと。
「貴様!我が聖域にあだなすとは何者だ。」
流暢に喋るオークが姿を現した。
ここまで流暢に人語を操るのはオークキングでも無理だ。
相当強く賢いオークが来たと察知したかと思えば今まで戦場に来ていたオークが一斉に逃げ出した。
わき目もふらずに一目散に流暢喋るオークの後ろを駆けていく。
「変身!プリティーオーク!」
その言葉と共に冒険者は気絶した。
その冒険者曰く自分が理解したくないモノを見たのかもしれないと言っていた。
また冒険者の気絶した場所には汚物が大量に飛び散っていたという。
そしてオークの里では
「オオオク様、あれほど変身はしないでくれって言ったじゃないですか。」
「だって負けそうだっただろう。」
「それでもですオオオク様が変身すれば皆が倒れてしまいます。」
彼の名はプリティーオーク。
魔法少女でオーク!
オークで魔法少女!
しかし性別は男性!
ガチムチな漢の漢!
この姿を見て見よ
何故かこの姿をみると醜いのに美しい!
微妙なラインが存在し脳の処理が追い付かず強烈な吐き気と共に気絶する!
もちろん戦闘力はきちんと魔法少女クラス。
正義の力で凶悪な人間やモンスターを倒す美少女(醜漢)
彼のパンチラでぶっ倒れた冒険者、味方は数知れず。
これはオークで魔法少女な物語である。